資産運用
(画像=mihacreative/stock.adobe.com)

株式投資には、2つの収益があります。1つは株価の変動によって差益を狙うキャピタルゲイン、もう1つは企業の業績によって株主に配当が支払われるインカムゲインです。短期的な株価変動で利益を上げている人が多いイメージの株式投資の世界ですが、長期的な視野で株を持ち続け、企業からの配当収入を積み増していくのもポピュラーな投資手法です。

株式投資家にとって、配当は重要な収入源の1つとなっているわけですが、そんな株の世界には連続増配銘柄といって複数年にわたって株主に支払う配当を増やし続けている銘柄があることをご存じでしょうか。長期的に株を持ち続けて配当収入を得たいとお考えの方にとって、この連続増配銘柄はとても魅力的です。

連続増配を続けているのはどんな銘柄で、株を保有し続けることでどの程度の利回りが期待できるのでしょうか。当記事では中長期の目線で株式投資をお考えの方に向けて、配当収入が魅力の連続増配銘柄について解説します。

連続増配株の魅力

一般的に株式会社は出資者である株主に対して、年1回の配当支払いを行います。そしてこの配当金を増やすことを増配と呼び、この増配を毎回行う銘柄のことを連続増配銘柄といいます。経済には好景気と不景気の波がありますし、それぞれの企業にも浮き沈みがあります。そんな浮き沈みを経ながら毎年配当を増やし続けることは決して簡単ではないので、連続増配銘柄はとても優秀な銘柄と考えて良いでしょう。

というのも、企業は分配可能額を超えて配当を出すことは違法配当にあたるためできません。違法にならない範囲であっても、株価を釣り上げるために配当を倍増させることは有効かもしれませんが、あくまで一時的なものです。2015年に親子で経営の主導権争いを演じた大塚家具では社長と会長の双方が配当倍増、3倍増といった大盤振る舞いで対抗し合ったことがありました。その後の大塚家具がどうなったかを見ると、これが無茶な案であったことは明白です。

つまり、連続増配銘柄は厳しい経営局面があっても配当を出せるだけの利益を上げ続け、しかもその利益を株主に還元してきた企業であるといえます。優良企業でなければできないことですし、それと同時に株主を大切にする戦略をとっていることがうかがえます。

日本では「花王」がトップで30年超え

それでは、2020年現在のデータから連続増配銘柄を見てみましょう。日本での連続配当銘柄トップは、花王(4452)です。2020年現在で30年間の連続増配を続けており、2位のSPK(7466)の22年を大きく引き離しています。3位は三菱UFJリース(8593)で21年。4位以降は小林製薬(4967)、ユー・エス・エス(4732)、リコーリース(8566)と続き、ここまでが20年連続増配です。

ここから先にも、10年以上の連続増配を続けている銘柄が並びます。おおむね日本国内では10年以上の連続増配を続けていると連続増配銘柄と見なされる傾向がありますが、これは日本国内での話です。

株式市場の本場であるアメリカに目を向けると、日本をはるかに上回る長期間にわたって連続増配を続ける「配当王」と呼ばれるような銘柄もあります。ちなみに25年以上連続増配を続けている企業は「配当貴族」、それが50年を超えると「配当王」と呼ばれることがあります。

アメリカには60年を超える連続増配株も!

アメリカの連続増配銘柄事情を見ると、日本とは別世界が広がっています。2020年現在で連続配当1位に輝いているのは、アメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)という水道事業を中心に展開するインフラ企業で、連続増配年数はなんと65年です。日本でトップの花王が30年なのですから、その倍以上です。しかも、この1社だけが突出しているのかというと、そんなことはありません。

2位のドーバー(DOV)が64年、3位のノースウェスト・ナチュラル・ガス(NWN)が64年となっており、さらに4位以降にも60年超えがずらりと並んでいます。8位のスリーエム(MMM)が61年となっており、8位までが堂々の60年超えです。日本でトップの花王と同じ30年連続増配の銘柄を探すと、アメリカでは86位のジャック・ヘンリー・アンド・アソシエイツ(JKHY)となりました。日本でのトップがアメリカでは86位なのですから、同じ株の世界でも日米の大きな違いを感じさせられます。

日本とアメリカの経済規模や株式市場に流れ込んでいる資金量の差に加えて、株主に対する配当性向が強い経済風土も関係していると思います。

連続増配銘柄に見られる特徴

日本やアメリカで連続増配を続けている企業は偶然そうなったのではなく、敢えて連続増配を続ける戦略をとっています。それが可能なほど利益を上げている企業であっても、増配に積極的でなければ連続増配にこだわることはありません。増配を続けることによって投資家からの信頼を獲得し、安定的に株を保有してもらいたいという思惑があるため、見返りとして連続増配を続けているのが、これらの企業に見られる特徴です。

もう1つの特徴として業種が内需や社会インフラなど、内需と関連が深く、それでいて人々の生活に密着した事業を展開している企業が多く見られます。日本のトップである花王は大手化学メーカーであり、一般消費者向けに多くのロングセラー商品を持っています。アメリカでトップのアメリカン・ステイツ・ウォーターは水道事業、3位のノースウェスト・ナチュラル・ガスは社名のとおり天然ガス事業を手掛けるエネルギー企業です。すべての連続増配銘柄がそうであるわけではありませんが、アメリカのように60年以上も増配を続けるためにはそれだけの社歴が必要となるわけで、今後はネット社会のインフラ企業となりつつあるGAFAMなどのIT企業が連続増配銘柄の仲間入りをしていくのか、興味深いところです。

連続増配株を活用した資産運用術

とても魅力的な連続増配銘柄ですが、この銘柄群を投資に活用し、資産を増やすためにはどうするのがベストでしょうか。投資の考え方は人それぞれなので完全な正解はありません。連続増配銘柄は増配が連続している点が大きなポイントなので、長期目線で積み立てていくのが効果的です。なぜなら、一度に多く買って保有するよりも、少しずつ買い増していくほうが増配のメリットを最大化できるだけでなく、株価変動のリスクを平均化できるからです。

複数の連続増配銘柄を組み合わせて、毎月一定額ずつ買い増していくことで、特定の銘柄に集中投資をするリスクと、特定のタイミングで買った株が値下がりするリスクを分散することができます。日本人投資家としては、日本とアメリカの連続増配銘柄を組み合わせてポートフォリオを構築するのが良いのではないでしょうか。

ところで、一定額ずつ株を買い増していく投資法のことを「ドルコスト平均法」といいます。この手法は時間軸によるリスク分散に有効であるとされており、連続増配銘柄のように長期投資に適しています。株価は常に変動しているため、いくら連続増配銘柄であっても株価が大きく下落することもあります。同じ金額で株を買い続けることにより、株価が下落した時には多くを買い、逆に株価が高い時は少なく買います。これによって株価の下落をメリットに変え、株価が高い時には高値掴みを最小限に抑える効果があります。

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