不動産投資による収入は、働かずとも資産を保有することで発生する「不労所得」と考えられています。しかしいくら不労所得といっても適切な管理を行わなければ安定的に収入を獲得し続けることはできません。不動産投資における不労所得の場合は「賃貸管理」がそれにあたります。賃貸管理には、主に入居者と投資物件に関するものがあり、それぞれに一定の労力が必要です。

本記事では、不動産投資の賃貸管理について解説していきます。

不動産投資の賃貸管理とは?

不動産投資を本当の意味で不労所得とするためには、賃貸管理に気をつけよう
(画像=Aldeca Productions/stock.adobe.com)

不動産投資における主な賃貸管理は、以下のような「入居者を対象としたもの」「投資物件を対象としたもの」の2つです。

【入居者を対象としたもの】

  • 入居手続き
  • 賃貸借契約の締結・更新および通知
  • 賃料の集金および未払いとなった場合は賃料の督促
  • 賃料や管理費などの帳簿管理
  • 入居者への対応(要望やクレーム対応など)
  • 退去の対応や敷金の清算
  • あらたな入居者の募集対応

【投資物件を対象としたもの】

  • 廊下やエレベータなど共有部分の清掃・保守・点検
  • 消防などの設備点検
  • 建物全体の保守管理
  • 修繕計画の立案や費用の準備
  • 退去後の清掃やリフォーム対応

このように不動産投資によって継続して収入を得るためには、さまざまな項目の賃貸管理を地道に行う必要があります。

多忙な高所得者は、不動産管理会社を利用しての賃貸管理がおすすめ

不動産投資の賃貸管理は、自分自身で行う「自己管理」という方法があります。入居者との距離も近くなるため、入居者のニーズや不満を汲み取りやすくなったり管理費用を削減できたりすることがメリットです。しかし管理戸数の増加とともに必要となる労力が増加し賃貸管理が難しくなる点は、デメリットといえるでしょう。

また高所得者の場合は、本業も多忙なことも少なくありません。自己管理による賃貸管理を選択してしまうと対応時間が捻出できず、賃貸管理が不十分となったり賃貸管理に時間を割くあまり本業に支障をきたしたりする恐れもあります。そのため高所得者の賃貸管理は、不動産管理会社への業務委託やサブリース契約により管理業務をアウトソーシングしてしまう方法がおすすめです。

不動産管理への業務委託は、賃料の5%前後の事務手数料などが発生します。しかし以下のような管理業務負担を軽減することが可能です。

  • 入居者の募集
  • 賃料の集金
  • 退去時の対応
  • クレーム対応 など

サブリース契約は、保証会社などが部屋を借り上げ、第三者に貸し出すという「転貸借契約」を利用したものです。保証会社などが投資物件の所有者の代わりに賃貸経営を行います。サブリース契約の主な特徴は、以下の通りです。

  • 転貸借契約を結んだ保証会社などに投資物件の賃貸管理を委託できる
  • 賃借人としての地位も占めるため、転貸借を行えていない場合(空室の場合)でも賃料が支払われる(空室保証を得られる)

サブリース契約の空室保証は、家賃相場の80~90%程度といわれており業務委託費よりも多額の費用が必要となる点がデメリットです。また賃借人からの賃料の値下げ要求や設備の追加やリフォームなどに一定の制限がある場合もあります。

建物に起因した事故は、所有者の責任となる場合も

賃貸管理のなかでも投資物件の建物に対する管理は、重要性が異なります。例えば屋根や外壁の一部が落下し通行人などにケガを負わせるなどの事故を起こして入居者などの物件の占有者に過失がない場合、所有者が損害賠償責任を負うことになるのです。物件所有者の損害賠償責任は、無過失責任となるため仮に事故の原因が手抜き工事によるものでも所有者に対する損害賠償請求を免れることはできません。

賃貸管理を自己管理で行うことは、規模が小さい範囲であればメリットもありますが、建物の管理については注意が必要です。投資物件の種類によって異なりますが例えばアパートを1棟所有している場合を考えてみましょう。1棟アパートの場合、例えば以下のような管理項目があります。

  • 屋上
  • 屋根
  • エントランス
  • 廊下
  • 階段
  • 内外壁
  • 天井
  • 外灯設備
  • 敷地内の植栽など

所有する物件のなかには、専門知識を必要とする場合もあるでしょう。このように所有者責任といった観点からも建物は、管理が行き届くように管理戸数が小規模であっても管理業務に業務委託の活用を検討することがおすすめです。

不動産の資産管理会社を利用することも検討

管理戸数が事業的規模に拡大して法人による資産管理メリットが見込める場合は、自分で不動産管理会社などを設立することも方法の一つです。不動産投資による収入は「不動産所得」として給与所得や事業所得など他の総合課税される所得と合算して所得税と住民税が課税されます。なかでも個人の所得税は、累進課税のため、総合課税される所得が多いほど高い税率が課されてしまう点がデメリットです。

そのため高所得者が不動産所得を得て課税所得を増やしてしまうと所得税などの税負担が増していき不動産投資による利回りを押し下げてしまうことになりかねません。例えば所有している投資用物件を資産管理会社に売却することで所有者責任を資産管理会社に移転させたり資産管理会社との間で所得の分散効果を生じさせたりすることが可能です。

これにより所得税・住民税の節税につなげることも期待できます。高所得者の賃貸管理では、業務委託などを活用することが重要です。しかし委託先を自分の資産管理会社とすることで以下のようなメリットが享受できます。

  • 管理手数料の節約や所得の分散効果が得られる
  • 人件費などの個人で行っていたときは認められない経費を控除できるようになる など

合算後の所得が高かったり今後物件数の増加を見込んでいたりする場合は、資産管理会社の設立を行ったうえで不動産の賃貸経営を検討してみましょう。

高所得者の賃貸管理は、リスク管理や節税などさまざまな面から検討を

不動産投資で得られる不労所得は、なにもせずにお金が入ってくるわけではありません。入居者に対して適切な賃貸管理を提供することで収入を獲得し続けることができるのです。賃貸管理には、入居者のクレーム対応なども含まれるため、時として迅速な対応が必要となる場合もあります。しかし本業が別にあり多忙な高所得者などでは対応が難しくなってしまう可能性もあるでしょう。

賃貸管理は、主に「不動産管理会社への業務委託」「サブリース契約」の2種類です。業務委託の場合は賃料収入の5%程度、サブリース契約の場合は10~20%程度の手数料が発生します。しかし建物に関する管理は、万が一事故が生じた場合、所有者に対して無過失責任による損害賠償が請求される可能性があることも忘れてはいけません。

そのためリスク対策の意味でも専門家を活用するなど一段階高い管理を行っていくことがおすすめです。特に高所得者の賃貸管理の場合は、上述した問題に加え個人で賃貸経営を行ってしまうと所得税などの税負担が過大となっていく懸念があります。そこで資産管理会社が代わって賃貸経営を行うことで不動産所得を資産管理会社に移し所得を分散させることで所得税などの節税につなげることも期待できます。

高所得者の賃貸管理は、単に他者に業務委託することで管理負担を軽減させるだけではありません。節税や所有者の損害賠償リスクの移転といったさまざまなメリットが享受できるため総合的に勘案することが必要です。

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