賃貸運営で高い入居率を維持することは、利益を確保するための生命線です。しかし入居率が下がったときにどのような対策をすれば良いかわからない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、入居者に住み続けてもらうための条件と具体的な対策を解説します。

原因を探ってから対策を練る

賃貸運営の生命線 高い入居率を維持できる条件と対策
(画像=zephyr_p/stock.adobe.com)

まず現在の入居率をチェックして今までの推移を確かめましょう。入居率が低いままで長期間推移している場合は、物件が持っている立地特性などの条件に原因があると考えられます。また区分マンションであれば他の部屋、1棟物件であれば周囲の同じような物件と比較することも大切です。他の物件と比べて入居率が低いようなら所有物件に独特の原因があると推測できます。

さらにある時点を境に急に入居率が低下している場合は、例えば「雨漏りが発生している」「トラブルを起こす入居者が住むようになった」など特定の発生原因があるのかもしれません。このように原因を推測したうえで対策を練ることが大切です。まずは、管理会社に協力してもらいながらしっかりと原因を探るようにしましょう。

入居率の高い物件と比べる

特定の損傷や入居者が原因で入居率が下がった場合は、それを解消することに努めましょう。一方で特定の変化が起きていないのに入居率が下がっている場合は、入居率が高い物件の条件と照らし合わせると改善の対策が見えてきます。一般的に入居率が高い物件は、以下の3つの条件を満たしている傾向です。

  • 建物や部屋のタイプが適切
  • 家賃が適切に設定されている
  • 利便性の良い立地

それぞれの条件の詳細と対策を解説します。

建物や部屋のタイプが適切

物件のあるエリアの賃貸需要に合った「建物タイプ」「部屋タイプ」をチェックすることは、非常に重要です。

建物タイプ

この選択が需要に合っていなければ当然入居率は低くなってしまいます。例えば「ある程度の家賃を支払っても遮音性や断熱性に優れたマンションに住みたい」という需要があるエリアでアパート経営を目指しても入居率が高まることは難しいでしょう。逆に住み心地や景観などよりも家賃重視の地域で家賃が高めのマンションを運営しても入居率が大きく向上することは期待できません。

アパートは、中古物件なら価格も手ごろなため投資対象として興味を持つ人も多い傾向です。しかし競合が多いうえに建物状態の劣化も早いため、入居率が早い段階で落ちてしまう物件も少なくありません。マンションは耐用年数が長いため、年数が経過しても状態が劣化しにくく比較的良好な入居率を保つことが期待できます。

こうした建物タイプの特徴を理解したうえで「地域の需要にマッチした物件になっているか」について改めて検証してみましょう。

部屋タイプ

都心のような単身者需要が高いエリアや大学があり住民の年齢層が低いエリアでは、当然ワンルームタイプの入居率が高めです。一方住宅ローンが低金利で家賃と大差ない返済額で持ち家を手にすることができる現代では、ファミリータイプの入居率を高めることは難しいともいえます。子どもの成長に合わせて広い物件へ転居されることも多く長期に入居してもらいにくい面もあるでしょう。

部屋タイプにおいても物件エリアの需要をしっかりと確かめ、特別にファミリータイプの人気が高くなければワンルームタイプのほうが入居率では有利です。

家賃が適切に設定されている

地域の家賃相場はもちろん建物状態に合わせた家賃設定も非常に大切です。新築物件では「新築プレミアム」という言葉があるほどの人気があり比較的高めの家賃設定でも入居率は高くなります。しかし年数が経つとその恩恵も薄れて空室が出るようになるため、これに合わせて適切な家賃設定に変えることも必要です。

物件運営を始めたときから値下げを見越した計画を立てておかないと、なかなか値下げに踏み切れず建物状態から見て割高な家賃のままになってしまいます。当初から建物の劣化などを考慮し、家賃の値下げも視野に入れたシミュレーションをいくつか行っておくことが入居率低下には有効です。家賃設定は、所有者だけで物件を見ていると冷静な判断が難しいこともあります。

管理会社などの客観的な意見にも耳を傾け入居率を高めることを優先した家賃の見直しを検討しましょう。

利便性の良い立地

賃貸物件は、立地が非常に重要となるため、建物が平凡でも立地が良ければ入居率は自然と高い状態が維持される可能性があります。立地の良い条件は、地域によって異なり「都心であれば駅までの距離が重視」「車での移動が主になる地方都市では勤務先までの距離」といった点が重視される傾向です。さらに日常的に買い物をする店舗まで近いと良好な立地となります。

今後物件を購入するのであれば「地域特性に合った立地の良い条件を満たした物件か」について確認することが大切です。すでに所有している物件の入居率が低下している際も立地を再確認することをおすすめします。例えば時間の経過とともに以下のような環境の変化が起きて以前よりも利便性が落ちている可能性もあるため、注視しておきましょう。

  • 周囲のスーパーが閉店している
  • 隣接の市区町村に大型のショッピングモールができて需要がそちらに流れている
  • 路線バスが廃線になった

こうした立地の悪化は、所有者にはどうにもできない部分のため、場合によっては立地の良い別の物件への買い替えを考えても良いでしょう。

適切な修繕も入居率に影響する

賃貸運営を始めて軌道に乗ると物件運営を管理会社に任せきりにしてしまう所有者もいます。しかし区分マンションでは、共用部分の管理や修繕は管理組合が行いますが自室内は所有者の責任で修繕などをしなければなりません。さらに1棟物件は建物全体を所有者が管理し修繕を判断することが必要です。

区分マンションで行っておきたい入居率対策

区分マンションでは、専有部分の室内の状態を定期的に把握し必要であれば空室となったタイミングで修繕することをおすすめします。壁紙が日焼けで変色していたりひび割れが目立っていたりする場合は、張り替えを行い床も傷やはがれがあるようなら上張りなどの修繕を行いましょう。見栄えが良くなれば入居を検討している人が内見に訪れた際に好印象を持ってもらえます。

ポイントは、修繕の予算をあらかじめ確保しておくことです。空室になったら素早く行えるように準備しておきましょう。そうすることで空室期間を最小限に抑え早期に新たな入居者に入ってもらうことが期待できます。ただし物件によっては床材の指定があったり修繕の届け出が必要であったりする可能性があるため、事前に管理会社へ確認しておくと安心です。

1棟物件で行いたい入居率対策

1棟物件では、所有者の判断で大きな修繕を行うことができます。内装はもちろん入居者の印象につながる外壁塗装や設備の改善も検討してみましょう。特に外壁塗装によって見栄えが良くなると入居率が上がることはおおいにあり得ます。またキッチンやトイレなどの水回りやエアコンのように入居者が日々使う設備はできるだけ快適に使える状態に保つことがおすすめです。

空室になったタイミングで専門業者に点検してもらい、故障が続いているようなら入れ替えを検討しても良いでしょう。1棟物件は大きな費用がかかるため、より早い段階で修繕計画を立てておくことをおすすめします。

管理会社とこまめに相談し対策を取る

こうした入居率の改善には管理会社の力添えが不可欠です。定期的に物件状態を確認し早めに必要な提案をしてくれる管理会社であれば入居率の低下を最小限にできるでしょう。周囲の賃貸需要を確かめて「建物や部屋のタイプが合っているか」「環境の変化で立地が悪くなっていないか」といったチェックは、自分だけでは十分な判断が難しいかもしれません。

入居率を維持し堅実な収益を得るためには、できるだけ信頼できる管理会社と協力しながら状況を総合的に判断し中長期の計画を早めに立てておくようにしましょう。

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