Googleマップは、ネット上で利用できる地図サービスの定番となっています。しかし自動車や公共交通機関、徒歩での移動検索に加えて「自転車のアイコン」があることをご存じでしょうか。

このアイコンは以前からあったのですが、日本では長らく自転車ルート検索が実装されていませんでした。2020年9月から、ようやく利用可能になりました。Googleの公式アナウンスによると、「自転車利用者から多くの要望が寄せられた」そうで、顧客の要望に応えた形になりました。Googleが自転車ルート検索のサービスを提供していることは、それだけ世界各国でも要望が多いことの表れでしょう。

日本でも同サービスが利用可能になったことからも、自転車移動する人が増えたことを感じさせます。シェアサイクルなど自転車をより手軽に活用できるサービスも人気を集め、特に大都市での自転車移動の存在感が増している傾向です。社会全体に起きているこうした「自転車シフト」の流れは、不動産の価値にどのような影響をもたらすのでしょうか。

本記事では、不動産投資家や不動産投資を考えている人の目線で考察していきます。

自転車の存在感が増している

Googleマップが自転車ルート検索に対応!自転車時代の不動産はこう評価される
(画像=Rawpixel.com/stock.adobe.com)

言うまでもなく自転車は「究極のエコな乗り物」です。エンジンが搭載されているわけではないため、走行時の排出ガスが一切出ません。一方で乗る人にとっては適度な運動にもなり、環境意識の高い人だけでなく健康意識の高い人からも自転車は支持を得ています。もとより環境意識の高いヨーロッパでは、自転車フレンドリーな街づくりが各地で進められているのです。

例えば、イギリスでは「ロンドン自転車革命」と呼ばれる取り組みが進められています。自転車移動の利便性を優先した都市計画を進め、2026年には2001年と比較して自転車利用を4倍にすることが目標です。そのほかにもドイツのベルリン、デンマークのコペンハーゲンでは自転車を公共交通と同格に扱う政策がとられるなどヨーロッパ各地での自転車シフトは今後さらに勢いを増すと見られています。

こうした動きは、日本国内でも起きていることをご存じでしょうか。例えば公共レンタル自転車サービスとしては以下のようなものがあります。

  • 石川県金沢市:まちのり
  • 宮城県仙台市:DATE BIKE(ダテバイク)

他にも宮城県仙台市では大規模な駐輪場整備事業なども行っており、都市計画に自転車移動が溶け込んでいることが見て取れます。特に仙台市の事例で注目したいのは「自転車シフト」の意外な目的です。仙台を含む東北地方が東日本大震災で甚大な被害を受け、交通機関が機能不全に陥る事態となりました。そのときに活躍したのが自転車移動です。

その教訓もあって、リスクヘッジとして自転車を活用できる環境の整備が進められている側面があります。このように世界各地で自転車が見直されているのは、自転車が持っているメリットがこれからの時代にマッチしたものだからといえるでしょう。排気ガスを一切出すことなく二酸化炭素も乗っている人の吐息しか排出されません。

さらに駐車違反や重大な交通事故の原因になりにくいことから、理想的な交通手段と考えられるようになってきているのです。自転車で移動する人たちにとっては、健康増進や感染症予防のためのソーシャルディスタンス確保も期待できるでしょう。またルートによっては、通勤時間を短縮できる点などはメリットです。

従業員が自転車通勤をすることにより企業には通勤手当の削減など経営面でのメリットも考えられます。

自転車は「まち」をどう変えるか

「自転車シフト」により大都市の街づくりや風景はどのように変わっていくのでしょうか。すでに見られている動きとしては「車道として整備されていた道路を一部自転車専用にする」といったものがあります。車道の一部を一時的に通行止めにする社会実験も実施されており、実験の結果によっては自転車道の整備がさらに加速していくかもしれません。

このように自転車道が整備されることに伴い、主要ターミナル駅周辺などに駐輪場が整備されていくと「走る道」と「停める場所」の両方がそろいます。こうした自転車インフラの整備により、自転車移動人口がさらに増える可能性が高いといえるでしょう。

自転車フレンドリーな不動産の価値が高まっている

今後進むことが予想される「自転車シフト」の時代に向けて、不動産投資家としてはどのように備えていくべきでしょうか。真っ先に考えられるのは、自転車インフラが充実した物件選びと物件づくりです。自転車置き場が整備されていることはもちろん、自室(自宅)の前や中に自転車を置けることも重要でしょう。なぜなら高価な自転車を持っている人は、盗難対策を強く意識するからです。

もとより進められていたオフィスの分散やテレワークの普及ですが、そこにコロナ禍の影響が拍車をかける形で働き方の多様化だけでなく働く場所の多様化が進んでいます。今後サテライトオフィスなど都心以外のオフィスで働く人が増えると、必ずしも都心からの交通アクセスがよくなくても「自転車で通勤するのにほどよい距離」といったことが好感されるようになるかもしれません。

これまで立地条件があまりよくないと見なされていた物件が、「自転車シフト」によって好立地に生まれ変わる可能性すらあるわけです。

自転車を意識した不動産選びと資産形成

従来からの不動産投資では、立地条件が非常に重視されています。そのため優良物件といえば「都心の物件」「都心に近い物件」「都心へのアクセスが良好な物件」がセオリーです。もちろんこうした考え方は今も変わることはありません。しかし「自転車シフト」が進むことにより既存の考え方だけでは自転車移動を前提にした人たちのニーズをくみ取れない可能性があります。

特にマンション投資では、最寄り駅から近いことが非常に重要とされてきました。しかし自転車移動を前提としている人たちにとっては、それがあまり重要ではなくなる可能性もあります。「駅から遠くても自転車を停める場所がしっかりと整備されている物件を選びたい」という人たちのニーズに応えることで選択肢を提供するのは面白い発想ではないでしょうか。

まだ「自転車シフト」が意識されていない都市やエリアもたくさんあるため、こうしたエリアには出遅れ感のある格安物件があるかもしれません。

まずは自転車移動をする人の目線になる

当記事では、Googleマップが自転車ルート検索に対応したことを受けて、いよいよ本格化する「自転車シフト」の潮流を解説するとともに不動産投資へ及ぼす影響について考察しました。まだまだ本格的な「自転車シフト」は始まったばかりです。そのためこれから物件選びをする人は選択肢の一つとして認識しておきましょう。

また社会全体が自転車移動を推奨する時代に向けて、自分自身でも自転車移動習慣をつけてみてはいかがでしょうか。高所得者層の人たちは、マイカーやタクシーでの移動が多くなりがちです。しかしその運動不足を解消するのにジム通いをするのであれば、自転車での移動に変えることで問題を一挙に解決できます。

自分で自転車に乗ってみるとさまざまなことに気づくものです。自転車に乗ってみると危険だと感じるルートや、坂道が意外にきついと感じる場所など、まずは自分自身が自転車目線を持つことにより自転車移動を好む人たちの目線を養うことができます。不動産投資に生かす予定が今のところはない人も、まずは環境保護と健康増進を両立できる自転車生活を始めてみませんか?

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