生涯
(画像=nuthawut/stock.adobe.com)

日本政府は2017年9月から「人生100年時代構想」を打ち立てています。そのため平均寿命の上昇・少子高齢化などによる医療費の増大などから人生設計の見直しを検討している人も多いのではないでしょうか。ライフプランの再設計をするためには、生涯所得と支出について把握し適切な資産運用の方法を確立することが必要です。

本稿では、2019年時点での平均寿命(男性81.41年・女性87.45年)を分かりやすく85歳と仮定し、そこまで生きた場合に必要な貯金額について解説していきます。また生涯所得・支出に関してだけでなく具体的にリタイア後に必要な老後資金を貯めるための方法についても確認していきましょう。

一般的な生涯所得はいくら程度なのか?

独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表している「ユースフル労働統計―労働統計加工指標集―2019」によると、学校を卒業したのちフルタイムで60歳まで働いた場合の生涯賃金に関する2017年の統計データは以下の通りでした。

性別中学卒高校卒高専・短大卒大学・大学院卒
男性2億180万円2億1,140万円2億1,550万円2億6,920万円
女性1億4,490万円1億5,020万円1億7,590万円2億1,670万円

上記の統計において転職は平均的に行うことが想定されていますが、キャリアの途中で職を離れる期間(失業・非労働力化など)は除外して数値が算出されています。同資料を見ると学歴が高くなるほど生涯賃金も上がる傾向にあり、中学卒と大学・大学院卒では、就業期間に一般的に7~9年前後の開きがあるにもかかわらず男性で約6,740万円・女性で約7,180万円もの開きがありました。

同資料では、務める企業の規模による生涯賃金の差についても調査が行われています。例えば大学卒の男性で比較した場合、1,000人以上規模の企業では約3億950万円、10~99人までの規模の企業は2億450万円と企業規模でも生涯賃金に大きな差が生じていることが分かるでしょう。2020年現在、日本では65歳から公的年金を受けることが可能です。

厚生労働省が公表している「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の受給権者の2018年における月額の平均受給額は14万3,761円でした。平均受給額をもとに日本の平均寿命の65~85歳までの20年間で計算すると、一人あたりの生涯での平均年金受給額は約3,450万2,640円です。

つまり、上記の生涯賃金にこの平均年金受給額を足した数値が日本における一人あたりの生涯所得の概算とも言えるのではないでしょうか。しかし適切な資産の運用方法を検討するためには、生涯所得だけでは情報が不足しています。住んでいる地域の物価・支払う税金・自身の生活レベルなどによって手元に残る資産も変動していくため、あわせて生涯支出についてもしっかりと把握しておきましょう。

一般的に生涯支出で消費する金額はどのくらいなのか?

総務省統計局が公表している「家計調査報告書(家計収支編)」によると2019年の2人以上の世帯・単身世帯それぞれの支出金額は、1世帯あたり以下の通りです。

世帯月額消費支出生涯での消費支出の概算
2人以上の世帯29万3,379円約2億2,179万円
単身世帯16万3,781円約1億2,381万円

(※生涯支出は22~85歳までの63年間で計算)

上記のデータを見ると2人以上の単身世帯で差はあるものの一人あたり毎月15万円前後、生涯で1億1,300万円ほどの消費支出があることが分かります。同資料によると勤労世帯でない高齢無職世帯の月額平均支出については、2人以上の世帯が23万9,947円、単身世帯は13万9,739円です。全世帯の数値と比較すると下がる結果となりました。

高齢世帯は、ライフステージ的に養育費などでの支出が少なくなるからと分析できます。さらに生涯支出の概算をするには、所得税・住民などの各種税金も踏まえなければなりません。例えば2人以上の世帯の生涯消費支出で約2億2,179万円の消費支出をすると仮定した場合、生涯で約2,217万円の消費税(10%として計算)を支払うことになります。

また1,000人規模の企業で60歳まで勤めた場合、生涯賃金は前述の通り3億950万円となるため、所得税・住民税を計算すると退職金も含めて4,300万円前後の税金を支払う必要があるのです。日本政策金融公庫が発表している「教育費に関する調査結果」によると、2019年度の子ども一人あたりを大学卒業まで育てた場合の教育費は約939万1,000円でした。

さらには、居住費・医療保険費・自動車関連費用・冠婚葬祭費などライフステージに応じてライフイベントごとに消費が発生することになります。これらを踏まえると生涯所得と生涯支出に関して実はそこまで大きな差があるわけでではなく「余裕がある」といえる人は決して多くはないと分かるのではないでしょうか。

平均寿命まで生きた場合に必要なリタイア後の預貯金

平均寿命85歳まで生きた場合に必要な老後の貯金額は、一般的に2,000万円と言われていますが実際はどの程度の貯金額がリタイア後に必要なのでしょうか。前述の総務省統計局が発表している「家計調査報告書」では、高齢無職夫婦世帯の消費支出額の平均は毎月約23万9,947円、20年で約5,758万7,280円です。

同資料では、社会保障給付も含めた可処分所得は毎月20万6,678円となっているため、消費支出から差し引くと毎月3万3,269円の不足分が発生していることになります。この不足分を65~85歳の20年分に換算すると約798万4,560円の老後資金が追加で必要になることが分かるでしょう。さらに消費税が約576万円(消費支出約5,758万円×10%と仮定)かかることを踏まえると不足分は1,374万4,560円です。

しかし実際には病気・介護・家の補修費なども追加で発生するため、約2,000万円の貯金額が必要という考えは現実に即したものといえるでしょう。22~65歳までの43年間の間に2,000万円の貯金額を貯めようとすれば毎月約4万円ずつ月収30万円前後に換算すると可処分所得の10~20%ほどを毎月貯金する計算になります。

これを多いと感じるか、少ないと感じるかは人により異なりますが、人生に応じて不足の自体はつきものです。そのため、実際には「もっと余裕を持っておきたい」と感じる方も多いでしょうか。

差分は運用で埋める必要がある

ここまで解説してきたことを踏まえるとリタイア後も安心できるだけのお金を貯金だけで用意しようとすることは、ハードルが高いといえるでしょう。そのため老後に向けた貯金とは別に資産運用で資金を増やしていく必要があるのです。代表的な資産運用の方法としては、以下のような方法があります。

  • 不動産投資
  • 太陽光発電投資
  • 国債
  • 投資信託
  • 債券
  • 定期預金
  • 純金積立

なかでもリスクとリターンのバランスが良い資産運用の方法が不動産投資です。金融商品に対する投資は、損失が出た場合のリスクが大きく国債・債券はローリスクの代わりにリターンも少なくなっています。不動産投資を行うメリットは、実物不動産の裏づけがあることです。毎月の現物資産の価格変動幅が小さく、マンションなどを運用すれば毎月の賃料を得ることができます。

加えて自分にもしものことがあった場合でも団体信用生命保険に加入しておけば住宅ローンの残債を保険金と相殺して家族にプラス資産のみを残すことも可能です。日本は人生100年時代が近いと言われていますが、老後だけでなく自分がいなくなった後のことを踏まえたうえで人生設計を行いたい人は、ぜひ不動産投資を選択肢の一つとして検討してはいかがでしょうか。

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