「青色申告」で大幅節税!? 開業医なら知るべき確定申告の基礎知識
(画像=勤務医ドットコム から引用)

医師の中でも勤務医の将来は大きく2つにわかれます。大学病院で働いている場合、勤続して教授の道を目指す人もいることでしょう。一方で、多くの勤務医として働いている医師が望んでいるのは「開業」という道です。自身でスケジュールを管理でき、収入も増えることから、そのメリットは大きいといえます。開業後の利益を最大化するためにも、まずは「確定申告」の基礎知識を知っておきましょう。今回は、医療法人を設立しないパターンでご説明します。

目次

  1. 勤務医生活を終え、晴れて開業したものの…
  2. 初年度は「医師優遇税制」の適用でなんとかクリア
  3. 2年目以降、勧められた「青色申告」
  4. さらに収入が増えれば法人化も視野に
  5. 不動産運用セミナーTOPはこちら

勤務医生活を終え、晴れて開業したものの…

30代のBさん。勤務医生活を終え、昨年1月から晴れて自分のクリニックをスタートさせました。心配した患者の確保も順調に進み、初年度の保険診療収入は3000万円を超えそうです。
毎日の診療に忙殺されていましたが、年末が近づき、はたと気づいたのが税金のこと。勤務医時代は、病院の経理課が全部処理していたので、税金についてすることといえば、毎月給与明細をもらって確認するくらいでした。

しかし開業をすると、自営業者としてすべてを自分で処理しないといけません。
具体的には、その年の1月1日から12月31日までにおける事業の収入と支出、社会保険料の負担などから所得を計算し、内訳を記載した申告書を税務署へ提出、所得税額を支払うのです。これが「確定申告」といわれる手続きです。

「確定申告」の申請期間は、翌年の2月16日から3月15日までの1ヵ月間。初日や最終日が土日にかかる場合は、翌月曜日になります。
もし、この期間内に確定申告が間に合わなかった場合は、「期限後申告」を行うことになります。期限後申告になると、無申告加算税や延滞税がかかります。また、後で触れる青色申告特別控除(65万円)が受けられなくなったりもします。

「税金がどれくらいかかるのか、税務署への申告手続きはどうすればいいのか、万が一税務調査に来られたらどうしよう……。だんだん不安が募っていきました」とBさんは振り返ります。

そこでとりあえず、ひと足先に開業した先輩医師に相談したところ、「開業した当初はそれほど心配しなくてもいい」ということでひと安心しました。

個別相談会@新宿

初年度は「医師優遇税制」の適用でなんとかクリア

なぜなら、開業医には「社会保険診療報酬の所得計算の特例」と呼ばれる医師優遇税制があり、税務署に申告する時に適用できるからです。
医師優遇税制とは、租税特別措置法第26条の規定に基づくものです。個人の医師および歯科医師で社会保険診療報酬が5000万円以下であり、かつ自由診療も含めた医業および歯科医業に係る収入金額が 7000 万円以下の者の場合、「社会保険診療報酬の所得計算の特例」が適用されるのです。

通常、税金を計算するにあたっては、実際の収入(売上)から経費を差し引いた利益をベースに税額を計算します。
しかしこの特例では、社会保険診療報酬の分については、収入金額に対する一定割合を概算して経費とみなせるので、多くの場合節税になります。
Bさんも、初年度は収入のほとんどが社会保険診療でした。申告書の作成も簡単で、なんとか申告期限内に手続きを終えることができたといいます。

※「社会保険診療報酬の所得計算の特例」

社会保険診療報酬 必要経費に算入する金額
2500万円以下 収入金額の72%
2500万円超~3000万円以下 収入金額の70%+50万円
3000万円超~4000万円以下 収入金額の62%+290万円
4000万円超~5000万円以下 収入金額の57%+490万円

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2年目以降、勧められた「青色申告」

Bさんが相談した先輩医師から、さらに勧められたのが「青色申告」です。医師優遇税制における「社会保険診療報酬の所得計算の特例」は、社会保険診療報酬が5000万円以下の場合しか使えません。
「いまのペースで患者が増えていけば、近い将来、5000万円を超えそう」と考えたBさんは、「青色申告」について調べてみました。
「確定申告」には「白色申告」と「青色申告」があります。「白色申告」とは、比較的簡易な方法で経理処理を行い、その記帳に基づいて所得税を計算して申告するものです。
一方「青色申告」は、「正規の簿記の原則」と呼ばれる方法で記帳を行い、確定申告にあたっては貸借対照表と損益計算書という財務諸表も作成して一緒に提出しなければなりません。
こう聞くと「青色申告」のほうが面倒に感じるかもしれませんが、「青色申告」には「白色申告」にはない優遇措置がいろいろあります。主なものは次のとおりです。

① 所得税の青色申告特別控除
「正規の簿記の原則」による記帳を行うことに対して、所得税の課税所得から最高65万円が控除されます(2020年分以後、電子申告または電子帳簿保存を行わない場合には55万円)。
白色申告より記帳が面倒な分の手当てといえますが、最近は簡単に計算できる経理ソフトもあります。

② 少額減価償却資産特例
設備機器などは、減価償却資産としてそれぞれ定められた耐用年数に応じて、毎年経費として計上できる額が決まります。しかし、「青色申告」であれば、30万円未満の減価償却資産について、購入した年に全額を一括して経費に計上できます。

③ 青色事業専従者給与
「白色申告」では、同居している家族などに支払う給与は原則として必要経費になりません。しかし、「青色申告」では、事業主と生計を一にしている配偶者や15歳以上の親族で、その事業に専ら従事している人(青色事業専従者)に支払う給与については、仕事の内容や従事の程度などから見て相当であると認められる金額を、必要経費に算入することができます。 なお、この特典を受けるためには、「青色事業専従者給与に関する届出書」を所轄税務署に事前に提出しておく必要があります。

④ 貸倒引当金
「青色申告」では、売掛金や貸付金などの貸倒損失の見込額として一定の額を貸倒引当金として繰り入れることが認められます。

⑤ 純損失の繰越控除
「青色申告」の場合、純損失は翌年以降3年間の繰越しが認められ、所得税が抑えられます。また前年分の所得税についても、繰戻し還付が受けられます。
なお、「青色申告」を行うには原則として、事業年度の3月15日(土日の場合は次の月曜日)までに「青色申告の承認申請書」を納税地の所轄税務署に提出する必要があります。また、新規に開業した場合は、開業の日から2ヵ月以内に同申請書を提出しなければなりません。
Bさんの場合、開業したのが昨年の1月ですから、昨年の3月までに提出する必要がありました。しかし1年目は特に何もしなかったので、2年度目の3月15日までに提出し、「青色申告」に切り替わることになりました。
つまり、初年度は医師優遇税制を利用した「白色申告」、2年度目からは医師優遇税制を利用した「青色申告」になるわけです。

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さらに収入が増えれば法人化も視野に

Bさんは現在、税金については「青色申告」の実務に慣れることをメインにしつつ、さらに将来に向けて法人化も視野に入れ始めています。
「いま婚約中の女性がいて、彼女は別の診療科の勤務医なのですが、いずれ一緒にクリニックをやりたいといってくれています。診療科も増やし、クリニックの規模を拡大していくことになるでしょう」

医師優遇税制は社会保険診療報酬が5000万円以下の場合に限られますから、そうなれば法人化を考える必要が出てくるのです。
医療法人を設立するとなると、改めて各種の手続きが必要になり、税務処理も法人として複雑になってきます。
開業医というのは、経営者にほかなりません。経営者にとって税務は不可欠の知識です。経営者として着実にステップアップしていることをBさんは感じています。

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