【物件オーナー向け】マンション投資でできる3つの花粉症対策を解説
(画像=aijiro /stock.adobe.com)

花粉症は、植物の花粉により、くしゃみ、鼻水などのさまざまなアレルギー症状を引き起こします。花粉の種類は多岐にわたりますが、関東では一年中花粉が飛散しています。スギ花粉とヒノキ花粉の飛散量がピークを迎えるのは2~4月です。マンション投資において住人のために花粉症対策を行うことは、花粉症にり患している住民の問題を解決することだけが目的ではありません。

花粉症対策を必要としている入居者に向けて新たな需要を生み出すことにもつながります。しかし「具体的に何をすればいいのか分からない」というオーナーも多いのではないでしょうか。本記事では、物件のオーナー向けにマンション投資でできる花粉症対策について解説していきます。

マンション投資で花粉症対策が必要な2つの理由

マンション投資において花粉症対策が必要な理由は2つあります。

 ・花粉は高い場所にも飛散する
 ・物件の需要を高められる

花粉は高い場所にも飛散する

高層マンションの物件オーナーであれば上階の部屋には花粉が飛散しにくいため、「上層階は花粉症対策ができている」と考える人もいるのではないでしょうか。高層マンションにはベランダがない物件もあるため、ベランダから花粉が侵入することを考えればベランダのある物件と比較すると花粉の侵入する機会が少ないと考えても良さそうです。

しかし「高い場所にあるから花粉が侵入しない」という考え方は注意が必要です。2002年に京都大学農学部の川島茂人教授が発表した論文「スギ花粉の放出と拡散過程に関する研究」によると、「川崎市衛生局が用いて調査した高度別のスギ花粉濃度値において、地上300メートルで半数以上の花粉が観測された」とあります。

花粉は、風によって運ばれるので風の影響によってはさらに高い位置にも花粉が飛散する可能性があります。高層マンションの上階であっても花粉が部屋に侵入しない保証はありません。高層マンションであっても花粉症対策は必要と考えるのが無難です。

物件の需要を高められる

花粉症対策を行うことで花粉症にり患している入居希望者の需要を満たすことができます。2019年に一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会が発表した「鼻アレルギーの全国疫学調査」によると、日本におけるアレルギー性鼻炎の有病率の変化は以下の通りです。

病名 2008年の有病率 2019年の有病率 対2008年比
アレルギー性鼻炎全体 39.4% 49.2% 9.8ポイン
花粉症全体 29.8% 42.5% 12.7ポイント
スギ花粉症 26.5% 38.8% 12.3ポイント
スギ以外の花粉症 15.4% 25.1% 9.7ポイント
通年性アレルギー性鼻炎 23.4% 24.5% 1.1ポイン

2008~2019年の間で花粉症を含むアレルギー性鼻炎の有病率は増加しています。花粉症全体で考えれば12年で12.7ポイントの上昇です。この結果から花粉症対策には一定の需要があり、今後も需要が上昇する可能性があることが分かります。年代別の有病率は以下の通りです。

年代 スギ花粉症 スギ以外の花粉症 通年性アレルギー性鼻炎
10代 49.5% 33.8% 38.5%
20代 47.5% 32.3% 35.0%
30代 46.8% 30.8% 29.9%
40代 47.5% 32.4% 28.2%
50代 45.7% 29.3% 27.0%
60代 36.9% 22.6% 19.3%
70代 20.5% 11.4% 10.9%

スギ花粉症の有病率は40代以下の年代において40%を超えており10代の有病率が最も高い傾向です。有病率の高い10代が将来的に物件を探すようになれば花粉症対策の需要がさらに増すことが予想されます。また花粉症の症状は、必ずしもせきやくしゃみが伴うわけではなく、さまざまな症状を発症することが考えられます。

症状が分かりにくい場合もあるので花粉症にり患している自覚のない人もいるかもしれません。そのため統計の数字よりも多くの花粉症患者がいることも予測できます。花粉症対策を徹底すれば、現在のり患者だけでなく将来り患する入居者の需要を満たすことにつなげることができるでしょう。

マンション投資の花粉症対策3選

物件オーナーができるマンション投資の花粉症対策は、主に以下の3つです。

 ・エントランスにエアシャワーを設置する
 ・換気設備にフィルターを導入する
 ・花粉対策用の壁紙・フローリングに張り替える

これらの対策は、マンションへの花粉の侵入や飛散を軽減するものです。花粉の侵入を確実に防ぐものではなく、必ずしも花粉症に効果があるわけではありません。

エントランスにエアシャワーを設置する

エアシャワーは、クリーン機器の一つで風を噴射することにより衣服に付着した小さなゴミなどを掃除します。もとは、医療施設や工場などの業務で使用され無菌室などに外部の汚染物質を侵入させないための設備です。マンションのエントランス部分にエアシャワー専用のスペースを設置することで物件の住人がマンション内部に花粉を持ち込みにくくなるため、外出時の花粉症対策になります。

花粉症以外にも衣服に付着した病原菌を吹き飛ばす効果も期待できるでしょう。住民自身ができる外出時の花粉症対策には、部屋に入る前に衣服に付着した花粉を手ではたいて落とすことがあげられます。しかしエアシャワーを自力で用意するのは難しいでしょう。そのためエアシャワーを設置しているマンションは、花粉症にり患している新規の入居者へのアピールポイントになりやすいです。

エアシャワーにはさまざまな種類の商品があります。工事不要で組み立てるだけで設置可能なポータブルタイプもあり、エントランスの状況に合わせて適切なエアシャワーを設置しましょう。

換気設備にフィルターを導入する

2003年7月1日にシックハウス対策として建築基準法が改正され、すべての建物に換気設備の導入が義務化されています。シックハウス対策の基準を満たす24時間換気システムは、シックハウス症候群の原因となる化学物質を外部に排出しながら新しい空気を取り入れることが可能です。しかし換気により外の空気を取り込む際、同時に花粉も取り込んでしまうため、室内に花粉が侵入する原因にもなります。

空気を取り入れる換気口に花粉を通しにくいエアフィルターを導入することで室内への花粉の侵入を抑制する効果が期待できるでしょう。現在使用している換気設備の換気口のタイプにエアフィルターが合えば簡単に取り付けが可能です。ただし換気設備へのフィルターの導入は、住人自身が使い捨ての布フィルターを換気口に取り付けることで自衛できる部分ではあります。

そのため新規の入居希望者へ花粉症対策について説明する場合は、エアフィルターの設置だけではあまり魅力的に受け取られない可能性もあるでしょう。

花粉対策用の壁紙・フローリングに張り替える

リフォームの費用がかかりますが、壁紙やフローリングの張り替えも花粉対策になります。壁紙の場合は、アレルギーを吸着したり抑制したりする抗アレルギー剤で表面を加工することでアレルギーの原因となるアレルゲンを軽減可能です。また室内に侵入した花粉は最終的には床に蓄積していきます。蓄積したアレルゲンを抑制する抗アレルギー剤でフローリングの表面を加工すれば壁紙と合わせてさらなる効果が期待できます。

壁紙・フローリングの張り替えによる花粉対策をすれば、住民の花粉症の症状を緩和できる可能性があるので対策方法の一つとして退去時のリフォームで検討してみるのもいいでしょう。

花粉症対策でマンションに新たな需要を

日本における花粉症のり患者は多く、今後も増え続けていくことが予想されます。確実に花粉の侵入を防ぐ方法はありませんが、入居者が納得できる花粉対策を取ることができれば新規の入居者にアピールできるポイントとなるでしょう。花粉症にかかった入居者のために花粉症対策をすればマンションに新たな需要を生み出すことにつながります。

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