増える人口とCO2。世界はすぐそこに迫る食糧危機と進む地球温暖化を食い止めるため、さまざまな対策を行っています。そして今、この2つの大きな課題を解決する可能性がある食べ物が開発されました。それが「代替肉」です。日本のスタートアップが開発した代替肉、「ネクストミーツ」にも期待が寄せられています。

代替肉市場は急速に拡大

株式会社矢野経済研究所の「代替肉(植物由来肉・培養肉)世界市場に関する調査」によると、2020年の代替肉世界市場規模は2,572億6,300万円で、特に欧米を中心に市場が拡大しているとのことです。今後は欧米に加え、タンパク質を多く消費している中国もニーズの高まりから市場が伸長すると考えられています。

同調査では、2030年時点の市場規模を1兆8,723億2,000万円まで拡大すると予想しています。そう遠くない未来に、多くのビジネスチャンスを獲得できる分野といえるでしょう。

わずか7ヵ月で上場を果たしたネクストミーツ

日本の代替肉ブランドネクストミーツが誕生したのは2020年6月のことです。そのわずか7ヵ月後、同社は日本ではなくアメリカで上場し話題を呼びました。この背景には、日本での上場には時間がかかりすぎることがあったようです。

世界的に急務となっている地球環境への取り組みを、食の分野から行っているネクストミーツは、スピード感を持って事業に取り組んでいます。地球環境にインパクトを与えられるような事業にするためには、多額の資金が必要です。

時価総額は479億円に

創業7ヵ月で上場したネクストミーツは、上場初日に時価総額479億円の快挙を遂げました。代替肉の開発にかかった時間は3年。試行錯誤と試食を重ねながら、今にたどり着いたといいます。

上場後は、国内でも代替肉を広めるべく積極的に動いています。宅配食材サービス等を展開するOisixや大手スーパーの食肉売り場での販売もスタートさせる予定です。

地球は待ってくれない。ビジネスで地球環境に貢献するネクストミーツ

大豆等の植物から肉に似た食品を作る試みは以前から行われており、身近なところではカップヌードルの具材に使われていることは意外と知られていません。

ネクストミーツの活躍によって、日本ではまだ認知の低い代替肉が一般に浸透し、より身近な食品となる日も近そうです。

地球環境は刻一刻と変化しています。気候変動による異常気象や温暖化による海水面の上昇を食い止め、持続可能な世界を実現するためには、多くの人の意識とビジネス自体を変えられるようなアイデアと実行力が必要でしょう。使命感とスピード感を持って進むネクストミーツの今後に要注目です。