日本で将来に対して経済的な不安を抱えている方は多いかもしれません。特に退職後の生活を年金だけで賄うのは難しいため、老後に不安を抱えている方もいるのではないでしょうか?経済的な不安を抱える理由には、ファイナンシャルリテラシーが不足している可能性があります。ファイナンシャルリテラシーは、お金に関する知識のこと。

理解を深めることでお金を正しく増やしながら守れるようになるため、不安の解決につながります。本記事では、資産運用や投資を始めるためにも重要なファインシャルリテラシーを学べる本の探し方と本以外の勉強方法について解説します。

ファイナンシャルリテラシーとは?

ファイナンシャルリテラシーは、一言で説明すればお金に関する知識です。しかしより具体的に説明するなら金融に関連する知識全般のことを指します。例えば以下のような知識です。

・ 不動産や株などの資産運用に関する知識
・ 税金の種類や節税の知識
・ 保険や相続などの知識

日本のファイナンシャルリテラシーは、海外と比較して低いことを示す結果があります。2019年に金融広報中央委員会が発表した「金融リテラシー調査(2019年)」によると米国の調査と比較してファイナンシャルリテラシーに関する6つの正誤問題の平均正答率が米国は53%に対して日本は47%という結果となりました。

OECD(経済協力開発機構)調査と比較しても英国やドイツ、フランスの正答率と比べて日本は下回っています。

設問 日本 英国 ドイツ フランス
金利 69% 57% 64% 57%
複利 44% 52% 47% 54%
インフレの定義 62% 80% 87% 87%
リスクリターン 77% 74% 79% 87%
分散投資 47% 52% 60% 75%
平均 60% 63% 67% 72%

設問の正答率以上に大きな問題点があります。米国の調査との比較で「金融知識に自信がある」と答えた人の割合が米国は76%であったの対して日本は12%であったことです。日本では、学校教育においてファイナンシャルリテラシーを学ぶ機会が少なく自身で学習をしなければ理解があいまいになり知識に自信が持てないことが考えられます。

ファイナンシャルリテラシーを学び金融知識への自信を身につけられればお金に対する理解が深まり漠然としたお金に関する不安の解消が期待できるでしょう。

ファイナンシャルリテラシーを身につけるメリット

ファイナンシャルリテラシーを身につける具体的なメリットは、以下の通りです。

・適切な方法で資産を増やすことができるようになる
・多角的な視点から資産防衛できる

1.適切な方法で資産を増やすことができるようになる

投資や資産運用を始める前にファイナンシャルリテラシーを身につける必要がある理由は、知識を身につけることで適切な方法で資産を増やすことができるようになるからです。ファイナンシャルリテラシーを身につければリスクの高い投機的な方法で資産運用を行うことが避けられ投資のリスクを学ぶことでリスクを理解していないことが原因の損失を防げます。

投資や資産運用のメリットだけを考えるのではなくリスクも理解することが安定して資産を増やすことにつながります。

2.多角的な視点から資産防衛できる

投資や資産運用は、資産を増やす方法です。しかしお金を手元に残すためには、資産を増やすだけでなくできる限り出費を減らす資産防衛も必要となります。資産防衛を考えるとき知識がないと生活費などの出費を節約する方法しか取れません。ファイナンシャルリテラシーを身につけることで税金の観点から出費を減らす方法が取れるようになります。

また資産運用や投資を利用して節税ができる場合もあるため、お金の知識を広く身につけることで多角的な視点から資産防衛ができるようになるでしょう。

ファイナンシャルリテラシーを学べる本

ファイナンシャルリテラシーを学ぶメリットについては理解できたでしょうか。しかし具体的にどのように勉強すればいいのか分からない方もいるかもしれません。勉強方法は、さまざまありますがその中でも本を読んで勉強する方法は仕事が忙しい方でも隙間時間を利用して勉強できる方法です。ファイナンシャルリテラシーが学べる本の特徴は、以下の通りになります。

・ ファイナンシャルリテラシーが問われる資格の本
・ 実績のある著名な投資家の本
・ 投資や税金の専門的な知識が得られる本

1.ファイナンシャルリテラシーが問われる資格の本

最も基本的な知識が学べるのは、ファイナンシャルリテラシーが問われる資格の勉強本です。ファイナンシャルリテラシーが問われる代表的な資格には、FP(ファイナンシャルプランナー)があります。資格本を利用した勉強のメリットは、個人の思想が含まれず試験に出題される事実のみが記載されていたり勉強を続ければ資格取得につながったりすることです。

ファイナンシャルリテラシーを1から本で学ぶなら最初に選ぶ本として資格本は最適でしょう。

2.実績のある著名な投資家の本

基礎知識を身につけたらウォーレン・バフェット氏をはじめとした実績を持つ著名な投資家の考え方に触れることでより具体的に資産運用や投資の考え方について理解できるようになります。ただし本を出している投資家の思想は、必ずしも自分の投資スタンスにあっているとは限りません。基礎知識がない場合は、正しく理解できない可能性もあります。

著名な投資家の本を読む際は、書かれていることを鵜呑みにするのではなく自分の知識に基づいて参考になるかどうかを判断しながら読み進めることがおすすめです。

3.投資や税金の専門的な知識が得られる本

最終的には、自分が興味のある投資や節税のうえで必要な税金の専門知識が得られる本がおすすめです。基礎知識を身につければより具体的に自分に必要な知識が分かるでしょう。知りたい分野が問われる専門的な資格がなければ資格本で勉強するのは難しいため、専門知識に特化した本を探す必要があります。

限定的な知識であればインターネットで検索して解決もできますが不動産投資の税金について知りたい場合は、不動産投資の税金について広くまとめた本を探すのがおすすめです。

ファイナンシャルリテラシーを身につけてより人生を豊かに

お金があれば幸せになれるとは限りませんがお金の知識を身につけることは人生をより豊かにすることにつながります。なぜなら資産運用でお金を増やし節税によって出費を抑えれば手元に残るお金が増えて人生の選択肢が広がるからです。資産運用や節税を実践するためにも本やセミナーを利用して正しいファイナンシャルリテラシーを身につけるようにしましょう。