絵画投資の3つの魅力と5つの注意点
(画像=Infernova Photos /stock.adobe.com)

「絵画を買う」と聞くと「芸術作品をコレクションや鑑賞のための嗜好品として買う」というイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。しかし絵画を買う目的は、必ずしもそうとは限りません。絵画は、投資対象としての側面も持ち合わせており投資家が投資目的で絵画を売買することもあります。絵画と投資とは、一見すると関係が希薄に感じるかもしれません。

投資家が絵画を投資目的で購入する理由は何なのでしょうか。本記事では、投資対象としての絵画における3つの魅力と絵画投資をする際の5つの注意点について解説します。

絵画投資とは?

絵画投資とは、画廊やオークションなどで絵画を購入し一定期間保有した後に買値よりも高値で売却する投資方法のことです。例えば2017年11月には米ニューヨークの競売でレオナルド・ダビンチ作の『サルバトール・ムンディ』が約500億円で落札されました。絵画投資の市場は、絵画の価格を表す指数(Artprice100)が2000~2021年までの累計で405%も成長した実績があります。

買った価格よりも高く売るという基本的なスキームは、株式投資や不動産投資と同様です。しかし利回りなどの数字による分析よりも芸術作品としての専門的な目利きが求められる点が絵画の特徴でしょう。

絵画投資の3つの魅力

絵画に投資することによるメリットには、どのようなことがあるのでしょうか。絵画投資のこれまでのパフォーマンスや特徴に基づく魅力は、主に以下の3つです。

  • 長期的な値上がりが見込める
  • 世界中のマネーが集まる
  • 節税できる可能性がある

長期的な値上がりが見込める

絵画の価格は、長期的に右肩上がりに成長しています。年間の平均成長率は、8%を上回ります。例えば2000年に100万円で購入した絵画が単純計算で+405%となった場合、2021年には約505万円になるということです。

2000~2021年4月時点までの累計成長率で比較すると日経平均株価は約109%、米国の代表的な株価指数の一つダウ平均株価は約214%。このことから絵画価格の成長率の大きさが理解できるのではないでしょうか。

世界中のマネーが集まる

絵画は、言語や国境を超えた文化的・歴史的価値を有しているため、世界中の絵画が世界中の投資家やコレクターによって取引されているのが特徴です。実際にArtprice100を構成するアーティストには、スペインやフランス、イギリスといったヨーロッパ諸国や日本を含むアジア圏のアーティストが名を連ねています。

世界中からの絵画が持ち寄られて世界中の人たちが取引に参加することは、「世界中からマネーが集まる市場」といえるでしょう。

節税できる可能性がある

一定の条件を満たせば絵画投資によって節税できる可能性があります。「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」を使うことで絵画を減価償却資産として即時償却(毎年一定の割合ではなく一度に全額を減価償却)できる場合があるのです。同特例を受けるための条件の概要は、以下の通りです。

以下の条件を満たす場合、当該絵画の取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。

  • 取得者が国税庁の定める中小企業者等に該当すること
  • 取得価額が30万円未満である減価償却資産を2006年4月1日~2022年3月31日までの間に取得すること
  • 適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円を超えないこと
  • 私用目的ではなく事業の用に供すること

中小企業者等に加えて個人事業主であっても以下の条件を満たせば絵画を減価償却することで節税ができる可能性があります。

  • 取得価格が100万円未満であること
  • 当該絵画が歴史的価値を有し、代替性のないもの(古美術品、古文書、出土品、遺物等)に該当しないこと

絵画投資をする際の5つの注意点

絵画は、投資対象としておおいにポテンシャルのある資産の一つです。しかし「芸術作品」「1点もの」「現物資産」といったことを勘案すると投資をする際には、以下の5つの点に注意する必要があるでしょう。

  • 保存コストがかかる
  • インカムゲインを生まない
  • 流動性が低い
  • 価格根拠が不明瞭
  • 贋作リスクがある

保存コストがかかる

購入した絵画を保管するにあたっては、経年劣化や盗難、焼失、紛失などの対策を講じることが必要です。例えば以下のような保管環境を整備するのが望ましいでしょう。

  • 温度および湿度の管理
  • 防じんおよび遮光の対策
  • 耐震性および防火性
  • セキュリティ対策

一般的な個人宅において上記のような環境を万全に整備することは簡単ではないでしょう。そのため絵画保管用の設備を備えた部屋や建物を用意するコストが必要となるかもしれません。オーナーの個人宅での保管が困難な場合は、倉庫業者に保管を委託する選択肢もあります。絵画の量や大きさにもよりますが保管コストとして月額で数万円ないし20万円以上することもあり得るでしょう。

数千万円や数億円の価値がある絵画であれば保管コストは微々たる経費率です。しかし数百万円以下の場合は、割高になる可能性があります。

インカムゲインを生まない

絵画は、原則として不動産の家賃収入や株式の配当金のように定期的なインカムゲインをもたらしません。インカムゲインを生まないということは、投資としてのキャッシュポイントがキャピタルゲイン(値上がり益)のみになるということです。売却時にキャピタルゲインが得られるか否かは、不確実なため、インカムゲインを生まない点は投資上の懸念材料となるかもしれません。

例外的に絵画がインカムゲインを生む場合としては、絵画を会館のロビーやホールへの展示用に貸し出す場合が挙げられます。そのため絵画を貸し出すことで賃料収入を得られる場合には、絵画もインカムゲインを生むことが期待できるでしょう。

流動性が低い

絵画は、株式や外国為替証拠金取引(FX)のように取引市場が整備されていないため、流動性が低く換金に時間がかかる場合があります。株式や外国為替は、市場が開いている時間であれば原則としていつでも取引ができるため、機動的な取引が可能です。しかし絵画はオークションなどの市場に売りに出して買い手を見つけることになるため、現金化するまでに長い時間を要する可能性があるでしょう。

価格根拠が不明瞭

投資商品の価格は、不動産であれば利回りや積算価格、株式であればPERやPBR、EPSといった指標に基づいて算出されたり価格の妥当性が判断されたりします。しかし絵画の場合は、不動産や株式に比べると価格を裏付ける指標や根拠が乏しい傾向です。そのため「購入時にいくらまでなら出しても問題ないか」「売却時にいくらの値が付きそうか」という判断が不明瞭になりやすいでしょう。

贋作リスクがある

贋作リスクとは「購入する絵画が偽物の可能性がある」というリスクです。本物を精巧に模写して作られる贋作が本物として流通することもあり絵画についての深い知識のない一般の投資家は、贋作を本物と同等の高値で購入してしまうリスクがあります。贋作か否かを判断する際には、専門的な知識や視点が必要なため、購入する際には専門家の助言を求めるのが得策です。

100円からでも絵画のオーナーになれる

絵画は「1点あたりへの投資単価が高くなりやすい」「不動産投資のように融資を受けて購入をするのが困難」といった特性があります。そのため少額でも多くの絵画を分散して所有できるサービスを利用することも方法の一つです。例えばSTRAYM(ストレイム)というサービスを利用すれば100円からアート作品の共同オーナー権の売買ならびに保有ができます。

1口あたりの価格を抑えて不特定多数のオーナー間で1点の絵画を共同所有する形態のため、1,000円の資金で最大10点の絵画に分散投資が可能です。絵画の価値が上昇した場合には、自分の持ち分を売却することでキャピタルゲインを得ることも狙えるため、少額から絵画投資を始めたい投資家に適したサービスといえるでしょう。

分散投資の手段として絵画投資も選択肢の一つ

投資における重要な視点の一つとなる分散投資の観点から高い成長力やポテンシャルのある絵画をポートフォリオに組み入れることは、おおいに検討する価値があるといえます。絵画投資に興味がある場合は、芸術作品という特殊性から生じるリスクも十分に理解したうえで少額から共同所有する方法で絵画投資をスタートしてみてはいかがでしょうか。

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