国内初の精子バンク立ち上げ 提供者を募集
(画像=maru54/stock.adobe.com)

医療の進歩に伴い不妊治療における選択肢も大きく広がりました。人工授精や体外受精、顕微授精など不妊治療には複数の方法があります。しかしパートナーが無精子症でこれらの治療を選択できない場合、治療の前に第三者から精子を提供してもらうことも可能です。2021年6月からより一層安全に進めようと獨協医科大学が国内初となる精子バンクを立ち上げ精子提供者を募集しています。

日本でも精子提供による治療は可能

国内では「子を欲しながら不妊症のために子を持つことができない法律上の夫婦」であれば非配偶者間生殖補助医療、つまり精子バンクなどから精子提供を受けての不妊治療を行うことが可能です。第三者から精子または卵子の提供を受けて人工授精する方法を「AID(非配偶者間人工授精)※」と呼びます。日本でのAIDは1948年に初めて実施されて以来、70年以上行われている不妊治療の方法です。

※Artificial Insemination with Donor’s semenの略

精子バンクについて

これまで国内では、慶応大学病院が精子バンクに相当する存在として精子の保管と人工授精を行っていましたがドナーが確保できずに2018年8月から人工授精の新規受け入れを中止していました。その他の医療機関でも精子提供者の減少から患者の受け入れを停止しているケースが見られます。そのような中で近年、SNSなどで知り合った個人から精子を購入する例が見られ問題になっていました。

こういった背景の最中、2021年6月から獨協医科大学が第三者からの精子提供による人工授精のリスクを低減し安全な不妊治療を行えるよう精子バンクがスタート。精子バンクでは、20~40歳の国内の医療関係者にドナーを限定し感染症の検査を行ったうえで妊娠する確率が高い可能性のある精子を選び治療施設に送る予定です。

精子バンク利用の注意点は

ただし精子バンクにドナーを提供したい人は、精子提供の際に注意したい点があります。精子提供者のプライバシー保護の観点から「子どもが自分の出自を知りたくても知ることができない」という問題が実際に発生しているのです。そこで日本産科婦人学会では、2015年に精子提供者のプライバシー保護のために「ドナーは匿名としながらも実施医師は精子ドナーの記録を保存する」と見解を改訂しました。

しかし「いつまで記録を保存すればよいのか」「子どもが情報を請求すれば開示されるのか」など細かなルールは定められていません。そのため「精子の提供は行うが子どもに個人情報を伝えられたくないドナーのプライバシーがどのように扱われるのか」は、あいまいなままです。獨協医科大学は、精子提供者が治療を受けるカップルへ自分の情報を開示するか否かを選択できるようにする予定。

これにより生まれた子どもへの「出自を知る権利」を保護しながら精子提供者の個人情報を守る考えのようです。

日本におけるAIDには課題が山積。ドナー側も不妊治療側も理解を

2021年6月時点で日本国内では、AIDで生まれた子どもに対する権利や親子関係の認定などに関する法的な整備が行われていません。そのため第三者から精子を提供されて生まれた子どもは、自分の出自を知ることができない状態となっています。反対に精子を提供した側は「いつ自分の情報が知られるのか」といったことが分かりません。

AIDにまつわる法律や制度が整うまで「ドナーの提供側」「提供を受ける側」のどちらもこれらの問題があることを理解したうえで実施することが必要です。

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