新しい投資先として注目されている「インフラファンド」って何?
(画像=Kanokpol/stock.adobe.com)

投資といえば「株式」「債券」「不動産」などさまざまな金融商品があります。2015年からは「インフラファンド」という金融商品が登場しています。「インフラファンド」とは一体何なのでしょうか。本記事では、インフラファンドの概要やメリットとデメリットについて解説します。

インフラファンドとはいったい何なのか?

インフラファンドとは、投資家から資金を集めてインフラとなる太陽光発電施設や港湾施設に投資を行い、そこで得た収益を投資家に還元するファンドのことです。日本には、2001年からオフィスビルやマンションなどを投資対象として不動産投資法人が投資家から資金を集めて不動産に投資をして利益を投資家に還元する「J-REIT」という市場はありました。

基本的な考え方としては、投資家から集めた資金を使って運用をすることはREITと変わりません。しかし投資対象が不動産ではなく「インフラ」というところに違いがあります。

インフラファンドの歴史

インフラファンドは、東京証券取引所で2015年4月30日に太陽光発電施設などのインフラ施設に投資をするインフラファンド市場を形成しました。インフラへの投資は、通常政府や自治体が工事費をねん出することが一般的です。しかし近年政府・自治体の財政状況や今後のインフラの維持といった背景から民間資金やノウハウがより一層必要性を増してきました。

またインフラは私たちの生活に直結する性質があるため、安定的な運用をすることが可能です。投資家からもインフラへの投資は、常に注目されてきました。インフラファンドを作ることでより一層インフラを整備したりインフラを永続的にわたって維持しながら投資家へ還元したりすることが可能です。

なぜ今インフラファンドが注目されているのか

なぜインフラファンドが注目されているのでしょうか。インフラファンドが注目されている理由としては「債券の低金利化」が挙げられます。2021年5月13日時点の日本国債は、以下の通りです。

  • 日本国債5年物利回り:-0.083%
  • 日本国債10年物利回り:0.098%

かぎりなくゼロに近いだけでなくマイナスのものもあります。他の投資先としては、株式や投資信託などがありますが「安定運用」「社会貢献」という観点からインフラファンドが注目されているのです。

安定運用のためのインフラファンド投資

安定運用を考える際には「債券」投資を行うことが一般的です。しかし2016年から継続している日銀のマイナス金利政策で軒並み日本の債券市場は低金利となっています。そのため投資家は「債券に投資をしても儲からない」という状況です。このような中、債券に変わる投資先として「インフラファンド」が注目されてきました。

インフラファンドは、太陽光発電施設や港湾施設など人々の生活にかかわりの深い「エネルギー」「運送」といった施設へ投資をします。そのため従来の株式や債券といった投資先よりも安定かつ景気の変動を受けにくい資産として投資をすることが可能です。従来の債券投資に代わって長期的な目線で「インフラファンド」を用いた投資が行われるようになってきました。

ESG投資としての側面もあるインフラファンド

インフラファンドは、太陽光発電施設などのインフラに投資をするものですがESG投資としての側面も持っています。そのためインフラファンドはより一層注目されるようになってきました。ESG投資とは、一体何なのかESG投資の特徴を深堀りしていきましょう。

ESG投資とは一体何なのか?

ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの視点から企業の将来性や持続性の分析評価を行って投資先を決定および投資をすることをいいます。これまで企業への投資は、業績や財務状況を判断しての投資が主流でした。しかし財務状況だけでは、企業の将来性や持続性まで図ることは難しい傾向です。

ESG投資では、財務状況ではない部分での将来性や持続性を判断することになります。ESG投資で評価される具体的なポイントは、以下の通りです。

  • 環境問題への取り組み
  • 地域社会への貢献
  • コンプライアンス
  • 従業員への評価や配慮など

主に「働きやすい環境なのか」「地域社会などの貢献を行っているか」といったことがポイントとなります。

世界中の投資家がESG投資に注目している

ESGという概念は、比較的新しい考え方であり2006年に国連事務総長のアナン氏がESGを投資基準とする「PRI(責任投資原則)」を提唱したことが始まりです。特に2008年のリーマン・ショック後に短期的な利益を求める投資家への批判活動もあったことからPRIに賛同し署名する機関投資家が増え現在では日本の年金資産を管理するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)もPRIに署名を行っています。

2020年8月現在ではPRIに署名している投資家は3,332を数え2020年3月時点の資産残高は約1京1,167兆円(1米ドル108円換算)です。

インフラファンドのメリットとデメリットとは?

このように世界中の投資家が注目しているインフラファンドではありますがどういったメリット・デメリットがあるのでしょうか。

インフラファンドのメリット

インフラファンドのメリットは、ESG投資自体が「将来性」や「持続性」に注目した投資を行うことによりリスクを低めに抑えつつ長期的なリターンを得ることができることです。ESG投資は、非財務状況となるガバナンスやコンプライアンスなども注目して投資を行っているため、短期的な業績悪化もしづらい一面があります。

時代の流れに遅れないような経営をしていくことにより長期的な安定リターンを得ることが可能です。またESG投資を行うことによって間接的に社会貢献をすることもできます。環境問題や人権問題などに対して投資という観点から企業を応援することができるわけです。また通常のESG投資と比べてファンドの中で投資先がすでに決定しているため、自分でESG活動について企業を一つ一つ分析する手間を省けます。

インフラファンドのデメリット

インフラファンドのデメリットは「短期でのリターンは見込めない」という点です。ESG投資は、目先の利益よりも将来性や持続性に注目をするため、短期投資には向いていません。そのためESG投資の側面もあるインフラファンドを検討する場合は、長期投資を検討しましょう。短期的なリターンが見込めない理由にはどんなものがあるでしょうか。

例えばインフラファンドは、太陽光発電施設や港湾施設などに投資をするため、まず投資先となる「インフラ」を作ることが必要です。しかしインフラを作ったところですぐに大きな収益が見込めるわけではなく徐々に収益を上げていくビジネスモデルとなります。そのため短期での収益は見込めないのがインフラファンドの特徴です。

インフラファンドは、通常のESG投資と違って各投資銘柄を自分で調べて投資をするものではありません。そのため自分でESG活動を積極的にしている企業を探して投資をしたい投資家には、インフラファンドは不向きです。

インフラファンドは長期的目線を持って余裕資金で投資をする

インフラファンドに限りませんが投資をする際は「余裕資金」で行うことが大原則です。特にインフラファンドの場合は、短期的なリターンを期待することができないため、長期的な目線で投資することが必要となります。インフラファンドは、債券のように安定的なリターンを得ることが期待できる金融商品です。

インフラファンドに投資をする際は、投資対象ファンドが「どのような視点で投資を行っているのか」「投資の目標はどこにあるのか」などをしっかりと確認してから投資をすることをおすすめします。いずれにしてもインフラファンドは、今後の投資トレンドになる可能性もあるため、今後の動向をチェックしておけば後々の社会貢献につながるかもしれません。

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