なぜ、都心5区のマンションはコロナ禍でも高騰?値下がりリスクは?
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コロナ禍のマンション市場のトピックに「東京都内や都心のマンション価格の高騰」があります。メディアで東京都内や都心からの人口流出が報じられていますが、人口が減少しているにも関わらず、マンション価格はなぜ値上がりしているのでしょうか。また、今後の値下がりリスクはないのでしょうか。市場データや識者の見解をもとに考えます。

2020年・2021年上半期は、22区のマンション価格が上昇

コロナ禍でも、東京都内や都心のマンション価格は上昇しました。マンションナビを運営するマンションリサーチ株式会社がまとめた「2017〜2021年上半期(6月まで)の中古マンション価格推移」を見れば一目瞭然です。

PR TIMES/マンションリサーチ株式会社「【速報】2021年上半期中古マンション市場」
(画像=PR TIMES/マンションリサーチ株式会社「【速報】2021年上半期中古マンション市場」)

グラフの黄色部分は2020年、赤い部分は2021年上半期の中古マンション価格(平均成約坪単価)です。東京都全体の中古マンション価格がコロナ禍も伸びていることがわかります。2020年・2021年上半期は、23区中22区のマンション価格が上昇しました。

他にも、東京都内や都心のマンション市場の好調ぶりを伝える情報が散見されます。例えば三井不動産レジデンシャル代表取締役の嘉村徹氏は、日経産業新聞(日経新聞への転載2021年6月10日付)のトップインタビューで「(マンションの)全般的な売れ行きは良い」「郊外(千葉県の柏、柏の葉、海浜幕張など)と東京都心の高額マンションが好調」と述べています。

嘉村氏は具体例を挙げ、「千代田区四番町の分譲マンションは平均価格が2億円以上だったがほぼ完売し、予想を上回る人気だった」と振り返っています。都心マンションの勢いを感じさせるエピソードです。

東京都心から人口が流出してもマンション価格が下がらない理由

このような市場データや識者のコメントから、東京都内や都心のマンション価格が明らかに上昇トレンドであることがわかります。気になるのは、「コロナ禍にも関わらず、なぜ東京都内や都心のマンション価格が伸びたのか」です。

コロナ禍での世の中の大きな流れに「東京都内や都心の人口流出」がありました。ハフポストは「東京一極集中から流出へ コロナ禍で人口動向が大転換(2021年6月25日付)」と報じています。

人口が減少したのであれば、東京都内や都心のマンション価格は下がるのが普通です。エリア内の人口が減れば住居用マンションのニーズが下がったり、投資用マンションの空室率が上がったりすることで物件価格が下がるからです。

コロナ禍では、特に東京都心部の人口流出が顕著です、日本経済新聞(2021年4月29日付)は東京都の9ヵ月ぶりの人口増加を伝えながらも「都心部を中心に他県へ人口が流出する状況が依然続いている」と報じています。

人口が減っても東京都心部のマンション価格が下がらない理由は、都心5区の人口推移を見ればわかります。一般的に都心といわれる5区(港区、千代田区、中央区、渋谷区、新宿区)の2020年4月と2021年4月の人口を比較した結果は以下のとおりです。

区名 2020年4月人口 2021年4月人口 増減
港区 26万1,923人 25万8,821人 -3,102人
千代田区 6万6,467人 6万7,140人 +673人
中央区 16万9,629人 17万946人 +1,317人
渋谷区 23万1,043人 23万,291人  -752人
新宿区 34万7,570人 34万4,577人 -2,993人

出所:各区の公式サイト「統計データ」などをもとに作成

都心5区のうち、コロナ禍で人口が減少したのは港区と新宿区です。渋谷区も減少傾向ですが、約23万人の人口に対して減少数が752人ですから、横ばいまたは微減といえるでしょう。千代田区と中央区は、人口が増加しています。千代田区の増加数自体は少なめですが、約6万6,000人の人口に対して673人増えているので、増加率は約1%です。端的にいえば、都心から人口流出といっても実際は「人口が減少している区は限られている」のです。

都心5区合計の人口推移を見ると、2020年4月の107万6,632人に対して、2021年4月は107万1,775人と、1年間で約5,000人減っています。確かに都心5区から人口が流出していますが、約107万人に対して減少数が約5,000人ですから、減少率は0.5%以下です。

「人口が減少している区は限られている」ことと「人口の減少幅が少ない」ことから、コロナ禍の都心からの人口流出は、マンション価格を下げる要因にはなっていないと考えられます。

東京都心のマンションが好調な理由はいくつもある

次に確認したいのが、「人口が微減・停滞しているにも関わらず、なぜ都心のマンションが値上がりしているのか」です。

まずは、都心5区のマンション価格が具体的にどれくらい上昇しているのかを確認しましょう。以下は、冒頭で紹介した2017〜2021年上半期(6月)までの中古マンション価格推移グラフを表にしたものです。

PR TIMES/マンションリサーチ株式会社「【速報】2021年上半期中古マンション市場」
(画像=PR TIMES/マンションリサーチ株式会社「【速報】2021年上半期中古マンション市場」)

千代田区を除く4区のマンション価格は、前年を上回っています(中央区6.6%増、港区7.6%増、新宿区8.9%増、渋谷区 3.7%増)。千代田区は1.2%減でしたが、前出の嘉村氏の「千代田区の2億円以上のマンションの売れ行きが良かった」というコメントから、物件やエリアによっては販売が好調だったことがわかります。

NHK公式サイトの経済解説の記事では、都心の分譲マンションが大きく値上がりしている理由として、不動産業界の識者を取材した上で以下の要因を挙げています。いくつもの好材料が重なって、都心のマンション価格が上がっていることがわかります。

一般層の動き

  • テレワークなどの普及で在宅時間が増えたため、住み替え需要が高まっている(その一部が都心マンションに流れている)

富裕層の動き

  • 海外旅行に行けないため、旅行資金がマンションに流れている
  • 値上がり期待で投資マンションを購入している
  • マンションを売却するオーナーが減っている
  • デベロッパーが積極的に高級マンションブランドを立ち上げている

出所:NHKサクサク経済Q&A「都心のマンション なぜ値上がり?」(2021年5月31日付)の内容をもとに編集作成

不動産市場の専門家の見解「今度も都心マンション価格は下がりにくい」

今後、東京都心のマンション価格はどうなっていくのでしょうか。前出のNHKの経済解説の記事では、2人の不動産市場の専門家が「今度も都心マンション価格は下がりにくい」との見解を示しています。

ニッセイ基礎研究所の渡邊布味子氏は「高価格でも買い手がいるので、今後数年は価格が下がりにくいのではないか」、東京カンテイの井出武氏は「下がる要素が見当たらない」と言及しています。

だからといって、東京都心のマンションのすべてが「買い」というわけではありません。高額物件が多いだけに、将来も資産価値を維持しやすい立地の物件を購入するべきでしょう。値上がり続いているだけに、契約前に「高値掴み」になっていないかをチェックする視点も必要です。

いずれにせよ、東京都心のマンションを購入する際は、物件を精査してくれる信頼できるパートナーが不可欠です。物件にこだわるのと同じくらい、不動産会社にもこだわりたいものです。

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