40代からの20年間で資産を増やす資産運用シミュレーション
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丸山優太郎
丸山優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している

新型コロナウイルスの感染拡大以降、経済的に不安定な状況が続くなか、公的年金だけで老後を過ごすことに不安を覚える方も多いでしょう。ある程度の資産を築いた40代から60代までの20年間で資産をどこまで増やせるかが老後生活の鍵を握ります。そこで、40代から資産運用を始めてどこまで資産が増えるか、主な投資方法と運用利回り別のシミュレーションを紹介します。

老後資金の確保には40代からの20年が重要

よく話題になる「老後資金2,000万円不足問題」を解決するには、20代から積立投資を始めることが理想です。金融庁の資産運用シミュレーションを活用して試算すると、月3万5,000円を利回り3%で運用した場合、30年で2,000万円に到達することができます。

しかし、40代から始めても20年間積み立てることによって2,000万円の老後資金を用意することは可能です。例えば、40歳までにこの先使う予定のない貯蓄として1,000万円あれば、残り1,000万円を20年間で積み立てればよいことになります。その場合、月3万円を運用利回り3%で運用すれば約980万円(下表参照)となり、貯蓄の1,000万円と合わせて老後資金2,000万円に近い額を確保することができます。

<毎月3万円・想定利回り3%・積立期間20年の運用シミュレーション>

元本(万円) 運用収益(万円) 金額(万円)
2年目 72.0 2.1 74.1
4年目 144.0 8.8 152.8
6年目 216.0 20.3 236.3
8年目 288.0 37.0 325.0
10年目 360.0 59.2 419.2
12年目 432.0 87.2 519.2
14年目 504.0 121.4 625.4
16年目 576.0 162.1 738.1
18年目 648.0 209.8 857.8
20年目 720.0 264.9 984.9

出典:金融庁「資産運用シミュレーション」で試算

では、積立投資で着実に増やすことができる投資商品を見てみましょう。

「つみたてNISA」ならちょうど20年積み立てできる

20年という長い期間で着実に資産を増やすなら、積立投資が適しています。「つみたてNISA」は積立期間が20年なので、40代から60代までの期間にちょうど当てはまる投資商品といえます。「つみたてNISA」は売却益や分配金が非課税となるため、1円も無駄にすることなく運用することができます。

積立投資は毎月一定の金額で買い続けることにより、価格が安いときに多くの口数を買い付け、価格が高いときに少ない口数を買い付けることになります。結果的に買い付けコストを平準化することができるため、長期で資産を増やすのに適しています。「ドルコスト平均法」を応用した投資方法が「つみたてNISA」といえるのです。

「つみたてNISA」で運用できる商品は、「手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)」(金融庁公式サイトの定義)と指定されています。信託契約期間は無期限かまたは20年以上と定められています。したがって、投資信託で不安材料の1つである運用期間中に早期償還になることはありません。

【積立方法】
まず証券会社に「つみたてNISA」の口座を開設する必要があります。投資する際、「つみたてNISA」は金融機関ごとに取り扱う銘柄が決められていますので、あらかじめホームページでどの程度の本数を扱っているかを調べる必要があります。一例を挙げれば、SBI証券では2,644本(2021年7月7日現在)を扱っており、どれを選ぶか迷うほどですが、ホームページにファンドを絞り込むための検索機能があるので、投資したいジャンルのファンドを選択することができます。

当たりはずれのないインデックス型投資信託

「つみたてNISA」は年間の投資額が40万円(月約3万3,333円)という制限がありますので、それ以上投資したい場合は通常の投資信託で運用する必要があります。投資信託には大きく分けて、日経平均株価やTOPIXなどの株価指標に連動した成果を目指す「インデックス型投資信託」と、株価指数以上の成果を目指して積極運用する「アクティブ型投資信託」の2つがあります。

アクティブ型はいろいろなテーマのファンドが発売されていますが、運用するファンドマネージャーの力量によって運用利回りが大きく左右されます。成績の良いファンドでは年利10%を超える運用成果をあげているケースもありますが、手数料や諸経費は高めになる傾向があります。

一方のインデックス型は投資対象となる株価指数の動きをストレートに反映しますので、個別株の影響が少なく、運用会社が違っても値動きはほとんど同じようになります。当たりはずれが少ない投資方法といってよいでしょう。手数料や諸経費もアクティブ型よりも安いというメリットがあります。

【積立方法】
ネット証券ではほとんどの会社が投資信託の積み立ては月100円から設定できます。対面証券は野村證券の場合で月1,000円から設定でき、投資資金は銀行引き落としや証券会社の口座に持っているMRF(マネー・リザーブ・ファンド)から支払うことができます。

持ち続けるなら確実に資産が増える連続増配株

個別株式で安定して資産を増やすなら「連続増配株」が適しています。連続増配を続ける企業は安定した成長を維持しているため、配当の増加と併せて株価の上昇も期待できます。例えば、トイレタリー業界大手の花王は2020年12月期現在で31年連続増配を継続しています。2021年7月7日現在で、20年以上連続増配を継続中の銘柄は下表のとおりですが、これらの銘柄に積立投資すれば株数の増加とともに配当金も毎年増配されるため、複利効果で資産が増加します。

また、積み立てではなく40歳までに築いた貯蓄からまとめて連続増配株に投資して、そのまま老後まで持ち続けるという投資方法も有効です。

ただし、これからも毎年増配を続けるかどうかは業績の動向にもよるので、利益の何パーセントを配当金に回したかを見る「配当性向」をチェックすることが必要です。配当性向が低ければ今後も増配を続ける余力があると判断できます。

<日本株20年以上連続増配銘柄一覧(株価指標データはSBI証券の基準による。配当は今期予想)>

銘柄 連続増配年 1株利益
1株配当
配当性向 配当利回り 株価
(2021/7/7)
4452 花王 31年 280.5円
144円
51.3% 2.12% 6,792円
7466 SPK 23年 158.3円
40円
25.3% 2.96% 1,353円
4967 小林製薬 22年 252円
79円
31.3% 0.85% 9,260円
8593 三菱HCキャピタル 22年 65円
26円
40.0% 4.37% 595円
8566 リコーリース 21年 408.8円
115円
28.1% 3.33% 3,450円
4732 ユー・エス・エス 21年 106.3円
58.4円
55.0% 3.07% 1,901円
9058 トランコム 20年 561.8円
124円
22.1% 1.45% 8,530円

※連続増配年は前期までの実績による年数です。三菱HCキャピタルは旧三菱UFJリース

【積立方法】
個別株式を積み立てできる「るいとう」(株式累積投資)を利用します。毎月1万円以上から指定された銘柄に積立投資することができます。「るいとう」は単元株に達するまでは議決権や株主優待の権利はありませんが、単元未満の段階でも配当金は受け取ることができ、元本に組み入れて運用されます。

難点は取り扱っている証券会社が限られていることです。2021年7月7日現在で野村證券、大和証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、岡三証券などで取り扱っています。

目標利回り別の資産運用シミュレーション

資産運用は目標額を決めて行う必要があります。目標額が決れば毎月の積立額と目標を達成するための運用利回りが決ってくるからです。老後資金2,000万円を目標にする場合、前述のとおり40歳の時点で1,000万円の貯蓄があれば、60歳までに残り1,000万円を積み立てればよいことになります。目標利回り別資産運用シミュレーションに当てはめると、月3万円の積立を行い利回り3%で運用できれば約1,000万円に到達することができます。

またもう少し目標を大きく持ち、20年間に資産運用だけで2,000万円を目標にする場合は月7万円を2%の利回りで運用するか、月5万円を5%で運用できれば目標に到達できます。月の投資額が多いほど低い利回りで目標を達成することができるので、無理のない運用が可能になります。

<月1~7万円を運用利回り1~5%で20年間積み立てた場合(カッコ内は総投資額)>

運用利回り 月1万円
(240万円)
月3万円
(720万円)
月5万円
(1,200万円)
月7万円
(1,680万円)
1% 265万5,612円 796万6,837円 1,327万8,062円 1,858万9,287円
2% 294万7,968円 884万3,905円 1,473万9,842円 2,063万5,778円
3% 328万3,020円 984万9,060円 1,641万5,100円 2,298万1,140円
4% 366万7,746円 1,100万3,239円 1,833万8,731円 2,567万4,224円
5% 411万円337円 1,233万1,010円 2,055万1,683円 2,877万2,357円

出典:金融庁「資産運用シミュレーション」で試算

老後資金の準備は若い年代に始めることが理想です。しかし、40歳を過ぎてから投資を始めても決して遅くはありません。資産運用シミュレーションで自分の目標に合った積立額と目標利回りを算出して、実りある資産運用を行うことが望まれます。

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