不動産投資による資産形成で若い人が誤解しやすい「年利」について
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田中タスク
田中タスク
エンジニアやWeb制作などIT系の職種を経験した後にFXと出会う。初心者として少額取引を実践しながらファンダメンタルやテクニカル分析を学び、自らの投資スタイルを確立。FXだけでなく日米のETFや現物株、商品などの投資に進出し、長期的な視野に立った資産運用のノウハウを伝える記事制作に取り組む。初心者向けの資産運用アドバイスにも注力、安心の老後を迎えるために必要なマネーリテラシー向上の必要性を発信中。

資産形成に関連する記事や書籍などの情報源には、よく「若いうちに始めるほうが有利」との記載があることにお気づきですか。理由は後述するとして、資産形成は若いうちから始めるほうが無理なく続けられて、大きな結果に結びつけやすいことは事実です。

若いうちから始める資産形成という意味では不動産投資も有望な選択肢で、こちらも20代など若いうちに始めるのが理想的だとされています。不動産投資で重要になるのは、物件の年利(利回り)と呼ばれる収益力です。未経験の方はもちろん、投資の経験がある方であっても不動産投資は初めてという場合、この年利に対する認識が曖昧になりやすく、その曖昧さが結果に大きな影響を及ぼす恐れがあります。

そこで当記事では、不動産投資の年利についてマスターしていただき、正しい認識で不動産投資を検討するために必要な知識を伝授します。

不動産投資の収益力を示す「利回り」の基本

不動産投資の収益力を示す指標に、利回りがあります。他の投資では年利を表示するのに用いられるのと同様に、単位はパーセントです。例えば、5,000万円の物件を購入して毎年の収益が500万円であれば、年利は10%となります。

このように単純に年間の家賃収入を物件取得価格で割ったものを「表面利回り」といいます。しかし実際には不動産を維持したりローンを返済するための出費があったりするので、こうした経費を差し引いた年間の収益を物件取得価格で割った指標として「実質利回り」を参考にします。

実際に物件を購入する段階になったら、この実質利回りが投資家にとっての「年利」になるので、これをもとに購入の可否を判断することがあります。

家賃収入=毎月の収入ではないことを認識しよう

先ほども述べたように、家賃収入と毎月の収入はイコールではありません。管理費や税金、ローン返済などを差し引いたものが投資家にとっての手残りになるわけですが、実際の不動産投資ではキャッシュフローが赤字になることもあります。

「赤字になるのに、なぜ不動産投資をする人がいるのか」

こう考える方もおられると思います。確かに投資を年利ベースだけで考えると、このご指摘はごもっともです。しかし実際には若い世代にも不動産投資に取り組む人が多くいます。これはなぜでしょうか、次項からその理由を解説します。

20代の不動産投資は目指すべきことは資産形成

20代など若い世代の人たちは、将来にわたって現役世代である時間が長いので、不動産投資による収入がなくても本業や副業などで収入をアップさせる余地が十分にあります。不動産投資による収入をあてにするのはもっと先のことで、今はそのための力を蓄える時期だと考えることから始めましょう。

それよりも銀行の融資を利用して物件を購入し、家賃収入をローン返済に充当していけば、やがてローンを完済するときがきます。そのときには返済義務のない不動産が手元に残るので、そこからは家賃収入が現役世代の中盤から後半以降の生活を豊かにしてくれることが期待できます。

仮にローン期間が30年だとすると、25歳から始めると55歳で完済します。55歳というとまだ現役世代なので、不動産投資の規模を拡大する選択肢もありますし、老後を目前に控えて年金以外の収入源も確保できます。これこそが若いうちから不動産投資を始める理由で、資産形成に取り組む時間が長いほど大きな結果につながりやすくなります。

威力絶大な不動産投資のレバレッジ効果

銀行の融資を利用して不動産を購入したとしても、その物件から得られる家賃収入は全額が投資家のものです。このように他人資本を活用して収益拡大を狙うことができることを、「レバレッジ効果」といいます。自己資金500万円で5,000万円の物件を購入したとすると、残りの4,500万円は他人資本です。しかしそこから年間500万円の家賃収入が得られるとしたら、たった1年で自己資金を回収できることになります。これが、レバレッジ効果の威力です。

レバレッジ効果を知るために有効な指標として、「CCR(Cash on Cash Return=自己資金利回り)」があります。これは投資全体ではなくその一部である自己資金に対してどれだけの年利が得られているのかを示すものです。CCRは、以下の計算式で求めます。

年間の家賃収入 ÷ 自己資金 × 100 = CCR(%)

この計算式では、家賃収入が分子で自己資金が分母です。分子である家賃収入が大きくなり、分母である自己資金が小さくなるほどCCRは大きくなります。CCRが大きくなるということはレバレッジが高いということであり、投資効率が高いことを示します。

先ほどの事例のように自己資金500万円で5,000万円の物件を購入し、年間で500万円の家賃収入があるとすると、CCRは100%です。仮に自己資金が1,000万円だとすると、CCRは50%となります。自己資金を多く投じている分だけCCRが低下し、投資効率が少し低くなっていることが示されています。

このCCRは、不動産投資だけの指標ではありません。企業の投資効率を計測するための財務用語で、事業のために投じた資金に対してどれだけ利益が上がっているかがわかります。不動産投資にもCCRが用いられているのは、不動産投資が「事業」だからです。

同じ「投資」と名のつく株や投資信託、FXなどでは投資にあたって基本的に銀行融資を利用することはできないので、ここが不動産投資と他の投資の大きな違いです。つまり他人資本を活用したレバレッジ効果は不動産投資だけのメリットであり、このメリットこそが不動産投資は資産形成の効果が高いと言われている所以です。

20代の人が今始めることで得られる3つのメリット

20代の若い人たちが不動産投資を始めることで得られるメリットを、3つに整理しました。

1.十分な返済期間を確保できるので無理のない返済計画を立てやすい

不動産投資向けのローンは、返済期間がおおむね長くて35年です。定年退職が65歳だとして、それまでに完済しようとすると30歳がタイムリミットです。それ以降の年齢からローンを組むとなると期間を短くする(つまり毎月の返済額が大きくなる)か、自己資金を多めに用意するなど30歳までの人と同じ条件とはいかないかもしれません。この点を踏まえると、20代の人であれば無理のない返済計画を立てやすいメリットがあります。

2.超低金利なので資金調達コストが安い

ご存じの方も多いと思いますが、日本は長らく超低金利です。これは不動産購入のための資金調達コストが安くなることでもあるので、超低金利のうちにローンを組むことは有利に働きます。しかも若い人は長い返済期間を確保できるので、返済期間が長いほど金利が安いことは大きな差につながります。

3.うまくいかなかったとしてもやり直しがきく

あまり想定したくないかもしれませんが、不動産投資は事業なので100%成功することが確約されているわけではありません。成功もあれば失敗もあるのがビジネスの世界です。仮に不動産投資がうまくいかなかったとしても、若い人であればまだまだやり直せます。期待どおりの収益性が得られなかった物件を売却し、別の物件を購入して仕切り直しをするにも、やはり年齢の若いほうがローン返済期間の観点からも有利です。

もし、不動産投資以外の方法で資産形成を目指すとしても、やはりその時間を多く確保できるほうが有利であることに違いはありません。50代になってから老後に向けて資産形成を始めるといっても、すでに時間が少ないので選択肢は限られてしまいます。そのことを踏まえて、「やり直しがきく」というのは若い世代の人たちにとっての大きな強みであることを認識しましょう。

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