20、30代必見!まずは知っておきたい資産運用の基礎知識
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藤山優里
藤山優里
防衛大学校卒、元海上自衛官。現在まで4年間、FPならびに証券外務員として約300件の保険、資産運用、転職支援の面からの総合的なライフプラン作成を行うほか、20代、フリーランスや独立を目指す方が知っておいてほしい「1,000万円以上の損を防ぐ」お金の知識を発信している。

老後2,000万円問題を発端として20代・30代といった若年層の資産運用ニーズが高まってきています。しかし資産運用は、やみくもに始めてしまうと思いがけない失敗となってしまいかねません。資産運用で失敗しないようにするには、どのような知識が必要なのでしょうか。

20代、30代の資産運用のリアル

老後2,000万円問題をはじめとして日本では「将来のお金」に対しての不安が広がってきています。2019年6月3日に発行された「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 『高齢社会における資産形成・管理』」によると、20~50代にかけて「老後不安」のトップには「お金」がランクイン。「年金だけで生活できるのか」という不安が顕著に表れています。

特に近年は、各メディアでも「つみたてNISA」などといった制度の活用の記事が多く掲載されている傾向です。特に若年層に向けての金融教育は、より重要なものになってきています。

つみたてNISAやNISAの口座数の現状

資産形成をしていくうえでつみたてNISAやNISAの活用は、よく各メディアで特集されています。金融庁が公表している「NISA 口座の利用状況調査(2020年12月末時点)」によると、20~50代のつみたてNISAやNISAの口座数は、以下のように推移しています。

NISA つみたてNISA
2019年(口座) 2020年(口座) 差(口座) 2019年(口座) 2020年(口座) 差(口座)
20代 42万7,703 47万3,272 +4万5,569 30万1,716 54万5,636 +24万3,920
30代 119万2,121 126万1,900 +6万9,779 48万140 81万7,415 +33万7,275
40代 180万2,336 185万6,500 +5万4,164 49万1,508 76万2,263 +27万755
50代 203万3,062 211万5,074 +8万2,012 34万2,650 52万1,860 +17万9,210

このようにどの年代でも2020年ではNISAやつみたてNISAの口座開設数が増えました。しかし同資料によると、20代は2020年にNISAやつみたてNISAの口座を持っているにもかかわらず、NISAは約64.9%、つみたてNISAが約37%の人が一度も買い付けを行っていません。一方30代では、NISAが約53%、つみたてNISAでは約34%が買い付けを行っていないことが分かります。

この結果を考察すると、NISA制度を認識したうえで口座開設をしたけれど「どのように運用をすればいいか分からない」という人もまだ多いのかもしれません。

知っておかなければ損をする「リスク」「リターン」「時間」

資産運用をする際に重要となるのは「リスク」「リターン」「時間」の3つです。この3つの「軸」を理解しておくことで投資の判断や出口戦略を立てやすくなります。

リスクとリターンの関係

まず理解しておきたいのが「リスク」と「リターン」の関係です。ここでの「リスク」とは、「マイナスになる可能性」だけではなく「ブレ幅」「不確実性」のことを指し「標準偏差」という言葉で表される場合もあります。例えばリターンが平均5%の場合、リスクが2%の場合には3~7%の間に入る可能性が約3分の2であることを示しているのです。

一般的に株式は値動きが激しいがリターンは高めなため「ハイリスク・ハイリターン」、債券は値動きが落ち着いているがリターンは控えめなため「ローリスク・ローリターン」といわれています。リスクとリターンは、よく比例関係にあるともいわれているのです。株式と債券の例で考えてみると以下のようなイメージがあるかもしれません。

  • 株式は良い銘柄を購入したら値上がりしやすい
  • 債券は値上がり益が期待しづらい

なぜなら株式のリスクは「マイナスへの不確実性」だけでなく、「値上がりの幅に対する不確実性」も含んでいるからです。それを踏まえると世の中に「ローリスク・ハイリターン」は実在しないことも分かります。

リターンと時間の関係

次にリターンと時間の関係について考察していきます。仮にリスクとリターンが同じ場合「短期」と「長期」では、どちらが最終的な利益を得ることができるでしょうか。100万円を年利1%のリターンで運用した場合は、1年後に101万円となりますが10年後には複利で運用をすると約110万5,000円になります。

このことから時間の経過に伴い少ないリターンでも大きな利益を期待できることが分かるでしょう。仮に100万円を1年で110万円にしたい場合は、1年でのリターンを10%とることが必要です。リターンが高くなる分「リスク」も高く設定して運用する必要があります。またリスクを上げるとその分マイナスの幅も大きくなる可能性も高くなる点も忘れてはいけません。

長期間かけて運用することでさらに大きな利益を安定して確保することが可能になります。

資産運用は「メンタル」が重要?

資産運用をしていくにあたっては「メンタル」が重要です。投資で成功を収めるには、株式を例にとると「安く株を仕入れて高値で売る」ということになります。これは、一般的な商売でも同じことがいえるでしょう。なかには「トレンドに乗っかって高値で購入した後、株式を保有していたが暴落によって安値で売却。最終的に損をしてしまった」といった経験がある人もいるのではないでしょうか。

こういったことが起こる理由の一つとして「メンタル」が大きく影響しているといえるでしょう。冒頭でも述べた通り日本人は、どの世代でも「お金」に対しての不安を抱えています。また近年は「FIRE」というワードもトレンドになっており「いかに早くお金を貯めるか」ということも重要視されてきている傾向です。

そのような中「早くお金を稼ぎたい」「早く儲けを出したい」と思うがあまり購入を先急いだり売却を先急いだりすることが起こっている可能性があります。その結果、購入する際にはすでに高値に上がっているものを購入して売却の際には「もうこれ以上下がったらやばい」という考えで売却をして損失を生み出してしまうのです。

ここで重要なことは、出口戦略や「リスク」「リターン」「時間」の3つの軸を理解して投資の目標設定を明確にすること。投資の目標設定を明確にすることによって購入や売却を先急がない落ち着いた状況判断ができるようになるのです。

20代、30代が始められる資産運用とは?

老後への不安を抱えている20~30代。この世代が始められる資産運用にはどのような方法があるのでしょうか。

NISA、つみたてNISA

NISAやつみたてNISAは、条件を満たすことで投資により得られた売却益や分配金に対しての20.315%(復興特別所得税を含む)の課税が非課税になる制度です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは、老後資金に特化して運用をすることが可能です。iDeCoを活用することで運用益が非課税になったり積み立てた掛け金が全額所得控除になったりします。また受取時にも受け取り方法によって税金の優遇措置を選択することが可能です。

株式投資

近年米国株式投資がトレンドになっているように株式投資も手軽に始められる運用方法の一つ。しかし株式投資におけるリスクは、比較的高い傾向です。投資先の見極めや売却のタイミングも投資の運用成果に左右されるため、比較的上級者向けの投資方法といえます。

投資信託

初心者が始めやすい方法として投資信託が挙げられます。投資信託は、運用会社に資金を集めその資金を活用して「運用会社が投資をする」という間接的な投資のイメージです。投資信託では、運用先を運用会社が決定するため、株式投資に不安のある方やほったらかし投資をしたい方におすすめといえます。

貯蓄型保険商品

貯蓄型保険商品も比較的初心者が始めやすい運用の方法です。保険商品で運用することで値動きが少なく出口戦略も立てやすくなります。しかしその分リターンは低くなるためリスクを抑えながら運用をしたい方におすすめです。

不動産投資

運用方法の一つとして不動産投資もあります。不動産投資は家賃が急激に変動することもあまりないため、比較的リスクを抑えめで運用することが可能です。しかし空室リスクや災害リスクなどといった想定しにくい「見えないリスク」についても把握しておくことが大切です。

何事も目標設定、出口戦略が大切

資産運用について方法や仕組みについて述べていきましたが最終的には「目標設定」と「出口戦略」を考えたうえで運用することが大切です。やみくもに資産運用を始めても「引き出したいときに引き出せない」「引き出したいときに値下がりしている」ということが起こりかねません。そうならないためにも目標設定と出口戦略は徹底しておきましょう。

「なぜ資産運用を始めるのか」「何年後をターゲットにして運用をしていくのか」ということを明確にし、資産運用を始めていけば資産運用での損失を防ぐことが期待できます。

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