不動産投資
(画像=sommart/stock.adobe.com)

不動産投資ローンを利用するとき、「返済期間をどれくらいに設定すればいいか」は悩ましい問題です。最近では、最長45年という超長期の返済期間のローンも登場しています。この45年ローンのメリット・デメリットを踏まえつつ、返済期間をどのように選択すればいいのかを考えます。

45年不動産投資ローンはなぜ生まれたのか

不動産投資ローンといえば、融資期間が最長35年というのがこれまでの常識でした。しかし最近では、最長45年という超長期の不動産投資ローンも登場しています。最長45年の不動産ローンが登場した背景は諸説ありますが、低金利の状況下で他社と差別化し、融資額を少しでも増やしたいという金融機関の事情があるでしょう。

また返済期間が長くなると、それに伴って完済時の年齢上限もあがります。例えば、最長45年のオリックス銀行・投資用マンションローンの最終返済年齢は85歳未満となっています。かなり高齢の年齢上限ですが、日本人の平均寿命が伸び続けていること、働き続ける高齢者が増えていることなどを考慮すると、45年不動産投資ローンの登場は新しい時代に合った流れといえるかもしれません。

45年不動産投資ローンのメリットとは

返済期間が最長45年の不動産投資ローンは、35年以下のローンと比べて次のようなメリットがあります。

メリット:毎月のキャッシュフローが有利になる

不動産投資ローンでは、返済期間が長くなるほど毎月の返済額が少なくなります。その分、毎月の収支が改善し、キャッシュフローが多くなったりすることが考えられます。

毎月のローン返済額が少なくなることは、空室発生時のことを考えてもプラス材料です。空室期間中は家賃収入がなくなるため、ローン返済額をオーナーの手持ちでカバーしなければなりません。毎月の返済額が少なくなれば、この負担も軽減されます。

メリット:生命保険効果を長期間活用できる

団体信用生命保険とは、住宅系ローンの契約者が亡くなったり、重度な障害を負ったときにローン残債がなくなる保険です。ご家族にはローン残債0円の物件が遺されるため、生命保険に近い効果があるといわれています。

不動産投資でローンを組む際は、この団信の加入が必須です。一例では、最長45年のオリックス投資用マンションローンでも利用条件を「当社指定の団体信用生命保険に加入」としています。この団信の保証はローン完済時まで続くため、長期間にわたって生命保険効果が得られるのも45年不動産投資ローンの魅力といえます。

45年不動産投資ローンのデメリットとは

返済期間が最長45年の不動産投資ローンは、メリットだけでなく、デメリットも把握した上で利用を検討するのが賢明です。

デメリット:金利負担が重くなる

返済期間が長くなるということは、その分、トータルでの金利負担が重くなるということです。例えば、1,000万円を金利2%の不動産投資ローンで借りた場合、35年で返済したときよりも、45年で返済したときの方が金利負担は重くなります。

※実際に返済期間が長くなったことで、どれくらい金利負担が重くなるかについては、この記事の後半で詳しく解説します。

デメリット:完済のタイミングが伸びる

返済期間が長くなれば、当然ながら完済のタイミングが伸びます。仮に、今30代後半の人が35年で不動産投資ローンを組めば、完済する年齢は70代前半です。これならまだ現役で働いているイメージもつきやすいでしょう。

同じ30代後半の人が45年で不動産投資ローンを組むと、完済年齢は80歳を超えてきます。いくら「人生100年時代」「高齢者になっても働き続けられる社会」といっても80代になってもバリバリ働くイメージは沸きにくいのではないでしょうか。

45年・35年・25年不動産投資ローンの利息や返済額の比較

ここまで解説してきたメリット・デメリットだけでは、返済期間をどれくらいに設定すればいいか判断がつかない方も多いと思います。そこで、同じ金額を同じ金利で借りた場合、返済期間によってどれくらい利息総額や毎月の返済額が変わってくるのかも見てみましょう。

ここでは、不動産投資ローンで1,500万円を2%(元利均等返済)の金利で借りたケースで考えてみます。

ローン期間による利息や返済額の比較

ローン期間返済総額利息総額毎月の返済額
25年1,907万3,400円407万3,400円6万3,578円
35年2,086万9,380円586万9,380円4万9,689円
45年2,276万1,000円776万1,000円4万2,150円

まず、利息総額の比較ですが、45年の不動産投資ローンを組むと25年と比べて約369万円、35年と比べて約189万円も多く利息を支払わなくてはなりません。返済期間によって車1台分くらい金利負担が変わってくるわけです。

一方、毎月の返済額では、45年の不動産投資ローンは25年と比べて毎月2万1,428円、35年と比べて毎月7,539円返済額が少なくて済みます。毎月の返済額が少ない方が毎月の収支は有利になります。

ただしこれらの比較は、金利を2%に固定した簡易的なシミュレーションです。実際にはこれよりも金利が高い、あるいは、金利変動や金利上昇リスクもあります。この点に注意してご参照ください。

融資期間が短いローンと長いローン、どちらを選択するのが正解か

前項の25年・35年・45年の不動産投資ローンの比較で、融資期間と金利負担の関係をリアルに感じていただけたのではないでしょうか。

では結局のところ、融資期間が短いローンと長いローン、どちらを選択するのが正解なのでしょうか。これは不動産投資のゴール設定によって変わってくるでしょう。一例としては、下記のような考え方があります。

返済期間が短めのローンが合うタイプの例

これから先、不動産投資の規模を拡大していきたい方は、返済期間が短めのローンが向いていると考えられます。理由は、不動産投資ローンの残債が増え過ぎると、早い段階で融資を断られる可能性があるからです。規模拡大を狙っていきたい方は、頭金を積極的に入れたり、ローンの残債をコントロールしたりしながら、物件を買い増ししていくのが賢明です。

ただし、ローン残債を抑えることを意識しすぎて手元のキャッシュが不足すれば、買い増しするときの初期費用や頭金が足りなくなる可能性もあります。どれくらいのローン残債にコントロールするといいかは、ケースバイケースですので不動産会社や税理士などに相談しながら進めていくのが無難でしょう 。

返済期間長めのローンが合うタイプの例

現時点の収支を重視する人は、返済期間が長めのローンが向いているといえます。例えば、手元キャッシュを株式や投資信託などの金融商品に積極的に回したい人などは、こちらに該当すると考えられます。

ローン残債が多いと規模拡大は不利になりますが、ワンルームマンション2〜3戸などある程度の規模拡大でとどめたい人は、頭金を抑えながら返済期間が長いローンを使っても不都合はないでしょう(ただし、年収などによります)。

まとめ

最後に、初心者の方が陥りやすいローンの誤解についてです。不動産投資ローンとマイホームローンは性質が違う、このことを強く意識しましょう。マイホームローンは、なるべく頭金を多めに入れて、余裕があれば繰り上げ返済をしていくのがセオリーです。これに対して、不動産投資ローンは、手元キャッシュに対するレバレッジを効かせることが重要です。

不動産投資では、頭金を多く入れた方がいい、残債をできる限り減らしたほうがいい、といったマイホームローンの常識から離れてプランニングしていくことが大切です。その上でご自身にとってベストな返済期間を見つけましょう。

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