女性の氏に合わせて男性が改姓することは多くの場合「婿入り」とされます。日本では、婚姻届を提出する時には女性が改姓して男性の氏に合わせるのが多数派です。

近年では女性の氏に合わせて改姓する男性が増えているといいますが、それでも全体で見るとごくわずかです。都道府県別に見て、婿入り男性が多いのはどの地域なのでしょうか。ランキング形式で紹介します。

先進的なイメージの東京が1位……ではありません!

早速、「夫の氏にしない婚姻率が高い都道府県ランキング」(2019年)を見ていきましょう。

順位 都道府県名 夫の氏にしない婚姻率
1位 岩手 7.71%
2位 山形 6.88%
3位 茨城 6.54%
4位 島根 6.51%
5位 栃木 6.23%
6位 秋田 6.01%
7位 徳島 5.91%
8位 鳥取 5.90%
9位 福井 5.81%
10位 宮城 5.77%

参照:人口統計資料集(2021年)「都道府県別『夫の氏』にした婚姻数および割合(1975~2019年)」|国立社会保障・人口問題研究所

1位には先進的なイメージが強い東京がランクインするかと思いきや、10位までの間にも東京の名はありません。夫が妻の氏に改姓している人がもっとも多いのは、岩手県という結果になりました。

また2位の山形、6位の秋田、10位の宮城と東北勢4県がランクインしており、東北にはいわゆる「マスオさん」が多いことがわかります。これには「控えめ」な東北男性の性格が表れていると考えられます。

関東では、茨城と栃木がランクインしています。東京はランク外となりましたが、近県では婿入りを選択する人が少なからずいるようです。

ちなみに、夫の氏にしない婚姻率の全国平均は約4.5%です。ランク上位の県の割合は約7%。「夫の氏にしない婚姻率」の高さがうかがえます。

「九州男児」のイメージ通り九州は圧倒的に夫の氏を名乗る

反対に、夫の氏を名乗る人が多い都道府県はどこなのでしょうか。正解は鹿児島です。鹿児島では97%以上の夫婦が夫の氏を名乗っており、婿入りをする人はわずか3%未満です。

次いで北海道、佐賀、宮崎、熊本、長崎と九州勢が名を連ねています。「九州男児」という言葉があるように、九州では男性優位の価値観が強いためと考えられます。

どちらの氏を選ぶか結婚前に話し合ってみよう

結婚後にどちらの氏を名乗るのかは、本来であれば夫婦が自由に選択できるものです。「何となく慣例的に夫の氏にする」夫婦も多いでしょう。しかし、「名前」は夫婦どちらにとっても大切なものです。どちらの氏を選ぶのか、結婚の前にパートナーとよく話し合ってみてはいかがでしょうか。