不動産投資
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大西 勝士
大西 勝士
フリーランスの金融ライター(AFP、2級FP技能士)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。10年以上の投資経験とFP資格を活かし、複数のメディアで執筆しています。

マンション経営(不動産投資)は、毎月家賃収入を得られることが魅力の一つです。しかしマンションという実物資産のリスクもあります。これからマンション経営を始める場合は、どのようなリスクがあるのかを理解しておくことが大切です。本記事では、マンション経営における8つのリスクとその対策を紹介します。

目次

  1. 1.空室リスク
  2. 2.家賃滞納リスク
  3. 3.災害リスク
    1. 地震
    2. 火災
  4. 4.建物老朽化リスク
  5. 5.家賃下落リスク
  6. 6.流動性リスク
  7. 7.金利変動リスク
  8. 8.賃貸管理会社の倒産リスク
  9. マンション経営のリスクは事前に対策できる

1.空室リスク

マンション経営で最も避けたいのが空室です。投資用マンションを所有していても入居者がいなければ家賃は入ってきません。安定したマンション経営を行うには、空室リスクの低い物件を選ぶことが大切です。空室リスクへの対策としては、以下2つがあります。

  • 賃貸需要が見込める地域の物件を選ぶ
  • 入居者募集に強い賃貸管理会社を選ぶ

国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口(2018年推計)」によると2045年の総人口は、東京都を除いたすべての道府県で2015年を下回ると予測されています。そのため人口が少ない地方よりも人口が多い都心のほうが賃貸需要は見込めるでしょう。

都道府県別人口の推移

2015(平成27)年2030(令和12)年2045(令和27)年
全国1億2,709万5,000人1億1,912万5,000人1億642万1,000人
1位東京都
1,351万5,000人
東京都
1,388万3,000人
東京都
1,360万7,000人
2位神奈川県
912万6,000人
神奈川県
893万3,000人
神奈川県
831万3,000人
3位大阪府
883万9,000人
大阪府
826万2,000人
大阪府
733万5,000人
4位愛知県
748万3,000人
愛知県
735万9,000人
愛知県
689万9,000人
5位埼玉県
726万7,000人
埼玉県
707万6,000人
埼玉県
652万5,000人
43位福井県
78万7,000人
福井県
71万人
山梨県
59万9,000人
44位徳島県
75万6,000人
徳島県
65万1,000人
徳島県
53万5,000人
45位高知県
72万8,000人
島根県
61万5,000人
島根県
52万9,000人
46位島根県
69万4,000人
高知県
61万4,000人
高知県
49万8,000人
47位鳥取県
57万3,000人
鳥取県
51万6,000人
鳥取県
44万9,000人

参照:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2018年推計)」

またマンション経営では、定期的に退去が発生することは避けられません。しかし入居者募集に強い賃貸管理会社を選ぶことで空室期間を短縮し収益低下を防ぐことができます。

2.家賃滞納リスク

マンション経営では、入居者がいても家賃を滞納されてしまうと収入を得ることができません。家賃滞納は発生しないのが理想ですが、発生した場合は迅速に対応する必要があります。家賃滞納リスクへの対策は、主に以下の2つです。

  • 滞納リスクが高い人を入居させない
  • 家賃滞納回収のノウハウがある賃貸管理会社を選ぶ

まずは、入居者を決定する段階で滞納リスクが高い人を入居させないことが最も効果的な対策です。賃貸管理会社や保証会社を利用して厳しく審査を行って家賃滞納を防止しましょう。実際に家賃滞納が発生した場合、オーナーが直接入居者に連絡するとトラブルにつながる可能性があるので、家賃滞納回収のノウハウを持つ賃貸管理会社に任せるのが無難です。

家賃滞納保証がある賃貸管理会社であれば滞納されても家賃収入を保証してもらえるので安心でしょう。

3.災害リスク

マンションは実物資産のため、地震や火災といった災害リスクから完全に逃れることはできません。災害によって建物に被害が出てしまうと大きな損失が発生する可能性があります。しかし災害リスクは事前に備えることで被害を押さえることが可能です。ここでは、地震と火災の対策について解説します。

地震

マンション経営では、地震により建物が倒壊するリスクがあるので地震に強いマンションを選ぶことが大切です。具体的には、1981年以降に建てられた新耐震基準のマンションを選びましょう。新耐震基準の建物は「震度6強以上の大規模地震でも倒壊・崩壊しない」とされています。1995年に発生した阪神・淡路大震災では、旧耐震基準の建物に被害が集中し新耐震基準を満たす建物の被害は少なく済みました。

また地震保険に加入しておけば建物が損壊したときに保険金を受け取れます。

火災

マンション経営では、火災により建物に被害が出る可能性もあるため、火災保険に加入しておくことが大切です。火災保険に加入しておけば万が一火災が発生しても保険金で復旧費用をまかなえます。ただし火災保険だけでは地震による火災は補償されません。そのため必ず地震保険もセットで加入しておきましょう。

また物件を購入する前に国や自治体が発表しているハザードマップを確認し地震や火災のリスクが高い地域の物件を避けることも対策となります。

4.建物老朽化リスク

マンションは築年数が経過するほど老朽化が進みます。しかし適切に管理されていればマンション寿命を延ばすことが可能です。重要事項調査報告書には、マンションの修繕履歴や修繕積立金の状況、今後の修繕計画などが記載されています。物件を購入する際に報告書の内容を確認し管理に問題がないかを判断しましょう。

修繕の履歴がない場合や修繕積立金が十分に貯まっていない場合は注意が必要です。

5.家賃下落リスク

マンションの家賃相場は、築年数が経過するほど下落します。一般的には、家賃の下落率は年率に換算すると1%程度といわれています。ただし東京23区においては、築10年までに比べて築10年以降の家賃下落率は緩やかになる傾向です。家賃下落リスクに備えるには、新築ではなく最初から中古物件に投資するといいでしょう。

中古物件は、新築より物件価格が低いので利回りが高く投資しやすいメリットもあります。また賃貸需要が見込めるエリアであれば家賃の下落幅を抑えることも可能です。

6.流動性リスク

マンション経営における流動性リスクとは、「現金化したいときに思うような価格で売却できないリスクのこと」です。不動産を売却するには、買い手を見つける必要があります。しかし資産価値が低いマンションの場合、買い手を見つけるのに時間がかかったり買い手がつかなかったりしがちです。流動性リスクに備えるためには、家賃や資産価値が下がりにくい物件を選ぶことが大切になります。

例えば都心で最寄り駅から近く利便性が高いエリアの物件であれば築年数が経過していても比較的売却しやすいでしょう。地方は物件価格が低くなるため、利回りが高い傾向です。しかしエリアによっては空率リスクが高いため、売却するまでに時間がかかるかもしれません。またある程度価格を下げないと売却できなくなるリスクもあるので注意が必要です。

7.金利変動リスク

金融機関の借り入れを利用してマンション経営を行う場合は、金利変動リスクにも注意が必要です。変動金利でローンを借りる場合、市場金利が上昇するとローン金利も上昇し返済額が増えてしまいます。状況によっては、自己資金の持ち出しが発生し返済が困難になる可能性もあるでしょう。金利上昇リスクに備えるには、過度な借り入れをしないことが大切です。

マンション経営では、ローンをうまく活用することで効率的に資産を増やすことが期待できます。しかし借りすぎは禁物です。頭金を入れて借入依存度を減らし金利上昇に備えて手元資金も準備しておきましょう。また固定金利でローンを借りることも金利変動リスクへの備えになります。変動金利に比べると借入時の金利は高い傾向ですが、返済期間を通して適用利率や返済額が変わりません。そのため長期間にわたる返済計画を立てやすい点がメリットです。

8.賃貸管理会社の倒産リスク

マンション経営は、物件を買って終わりではなく購入後の賃貸管理も重要です。入居者募集や家賃の回収、トラブル対応といった賃貸管理業務をしっかりとこなさなければ安定したマンション経営はできません。そのため賃貸管理を委託する管理会社の倒産リスクに備える必要があります。信頼できる賃貸管理会社を選ぶには、入居率や管理戸数、オーナー数といった実績を確認することが大切です。

また可能であれば決算内容から経営に問題がないかもチェックしておきましょう。賃貸管理を委託している途中で管理会社が倒産すると家賃が回収できなくなる可能性があるので注意が必要です。

マンション経営のリスクは事前に対策できる

マンション経営のリスク事前にできる対策
空室リスク・賃貸需要が見込める地域の物件を選ぶ
・入居者募集に強い賃貸管理会社を選ぶ
家賃滞納リスク・滞納リスクが高い人を入居させない
・家賃滞納回収のノウハウがある賃貸管理会社を選ぶ
災害リスク・【地震】新耐震基準を満たす建物を選ぶ、地震保険に加入する
・【火災】火災保険に加入する(必ず地震保険もセットで)
・ハザードマップを確認しリスクの高いエリアを避ける
建物老朽化リスク・建物を適切に管理する
・物件を購入する際に重要事項調査報告書の内容を確認する
家賃下落リスク・新築ではなく最初から中古物件に投資
・賃貸需要が見込めるエリアの物件にする
流動性リスク・家賃や資産価値が下がりにくい物件を選ぶ
・都心で最寄り駅から近く利便性が高いエリアの物件にする
金利変動リスク・過度な借り入れをしない
・頭金を入れて借入依存度を減らし、手元資金を準備する
・固定金利でローンを借りる
賃貸管理会社の倒産リスク・入居率や管理戸数、オーナー数といった実績を確認
・決算内容から経営に問題がないかをチェック

今回紹介したマンション経営の8つのリスクは、どれも事前に対策が可能です。「どんなリスクがあるか」を理解して対策を講じておけば過度にリスクを恐れる必要はありません。安定的に家賃収入を得られるようマンション経営のリスクに備えましょう。

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