オーナーチェンジは、不動産投資の中でも比較的すぐに収益化することが期待できるため、初心者に人気の方法です。既存の収益物件のオーナーが変わるだけのため、投資初心者の中には興味がある人もいるのではないでしょうか?たしかにオーナーチェンジ物件には、手軽さという面でメリットがありますが購入後に予期せぬトラブルに巻き込まれてしまうこともあるため、注意が必要です。

本稿では、オーナーチェンジ物件のメリット・デメリットとオーナーチェンジ物件への投資を成功させる方法について詳しく解説していきます。

オーナーチェンジ物件の3つのメリット

不動産投資初心者に人気のオーナーチェンジ物件には、主に以下の3つのメリットがあります。

・ 投資後すぐに家賃収入が入る
・ 資金計画がしやすい
・ 割安で物件を買えることも

投資初心者でもすぐに収益化し割安で収益物件を購入することができる点が特徴です。オーナーチェンジ物件の3つのメリットについて詳しく確認してみましょう。

投資後すぐに家賃収入が入る

オーナーチェンジ物件とは、すでに入居者が入っている物件を前のオーナーから買い取ることです。そのため買取後にはすぐに家賃収入が入ります。不動産投資の場合は、投資後に借主を探す手間がかかり場合によっては借主が見つからないこともあるでしょう。しかしオーナーチェンジ物件の場合は、すでに入居者がいるため、その心配はありません。

資金計画が容易

資金計画がしやすい点も大きなメリットの一つです。「家賃収入〇〇万円」など知ることができるため、資金計画が非常に立てやすくなります。例えば「家賃収入90万円-諸経費10万円-借入金返済50万円=手元に残るお金30万円」など資金計画がしやすいでしょう。通常の不動産投資であれば入居者が見つかるまでのランニングコストを考慮した資金計画を立てなければなりません。

しかしオーナーチェンジ物件であればすぐに収支計画を立てることが可能です。

割安で物件を買えることも

オーナーチェンジ物件は、物件を保有するオーナーが売りに出すからこそ投資できるものです。利益が出ている物件をわざわざ売りに出す場合、オーナーは資金に困っているケースが予測できます。つまり「とにかく早く資金を手にしたい」と考えるオーナーの場合は、早く売却できるように割安で売りに出すこともあるのです。

タイミングよく割安な物件を見つけることができれば通常の売買よりもかなり安価な値段で不動産を購入できる可能性があります。

オーナーチェンジ物件の注意点

オーナーチェンジ物件は、良い物件を見つけることができれば非常にメリットが大きいです。しかし物件内の状態や居住者の情報が分からないなどのデメリットもあります。

・ 室内の状態が不透明
・ 入居者の退去で資金計画が狂う
・ 家賃が下がる可能性がある

オーナーチェンジ物件の3つのデメリットについてもしっかりと理解しておきましょう。

室内の状態が不透明

すでに入居者が居住しているオーナーチェンジ物件では、実際に投資する物件の部屋の中を見ることができません。場合によっては、現在の入居者が退去後にたくさん修繕をしなければ使えないほど部屋の状態が悪い可能性もあります。不動産投資においては基本中の基本となる「内覧」ができないことはオーナーチェンジ物件の大きなリスクです。

入居者の退去で資金計画が狂う

オーナーチェンジ物件は、すでに入居者がいることがメリットです。しかし逆に言えば入居者が退去してしまえば家賃収入が入ってきません。よほどの好立地にないかぎり中古マンションや中古アパートへすぐに入居者を確保することは難しくなります。オーナーチェンジ物件に関しては「予定通りに家賃収入が入ってきたのは投資した後の数年間だけ」ということはよくあることです。

場合によっては、前のオーナーが「長らく居住していた人が近々退去する」ということを知ったうえで売りに出している可能性もあります。そのためオーナーチェンジ物件は「購入前になぜ売却するのか」という理由をしっかりと確認することが必要です。

家賃が下がる可能性がある

オーナーチェンジ物件は、多くの建物が古くなっています。そのため購入時には「現在の家賃相場を維持するのが難しい」というケースも少なくありません。せっかく物件を購入しても新しい入居者を募集するときに家賃を引き下げなければ入居者を確保することができない可能性があります。つまり投資後すぐに資金計画を見直さざるを得ないリスクがあるのです。

そのため購入前には、周辺物件の家賃相場などを調べて「あとどれくらいの期間、現在の家賃相場を維持できるのか」などを慎重に見極めたうえで投資を決めましょう。

オーナーチェンジ物件で失敗しないために

オーナーチェンジ物件への投資を成功させるためには、以下の4つのポイントだけはしっかりと押さえておくことが必要です。

・ 入居状況をできるかぎり確認する
・ 安全な管理会社を選定する
・ 保証人と保証会社が有効か確認
・ オーナーが売却する理由を確認する

4つのポイントを事前にしっかりと確認しておけば投資に失敗するリスクを大幅に軽減することができます。

入居状況をできるかぎり確認する

購入前に「どのような人が居住しているのか」については、できるかぎり確認しましょう。例えば大学近くの物件で大学1年生が居住している場合は「今後3年間はそのまま居住し続ける可能性が高い」と判断できます。調べられることには限度がありますが、できるかぎり居住状況を把握し問題ないことを確認してから投資を行うようにしましょう。

安全な管理会社を選定する

管理会社がどのような会社なのかの確認も重要です。管理会社が大手不動産仲介会社などであれば一定の入居者を確保できる可能性が高いと判断できます。しかし小さな管理会社の場合、入居者の確保に寄与しません。管理会社によって入居者の確保には大きな違いが出るため、できるかぎりネットでの評判が高く問い合わせた時のレスポンスが早いなどの優良な管理会社がついている物件へ投資しましょう。

保証人と保証会社が有効か確認

入居者が「保証人を立てているか」「保証会社と契約しているか」という情報の確認は、非常に重要です。保証人も保証会社も有効でないと借主が家賃を滞納した場合、オーナーの損失となります。現在のオーナーもそのような理由で家賃を確保することが難しく売りに出している可能性も否めません。投資する前には、必ず入居者の保証状況を確認してください。

オーナーが売却する理由を確認する

オーナーチェンジ物件の中には、わけあり物件も混ざっているため、必ず現オーナーが物件を手放す理由は確認しておきましょう。
例えば次のような理由であれば、わけあり物件とまでは言えないので投資しても問題ないでしょう。

・ 現オーナーが遠方に引っ越す
・ 他の収益物件に買い換える

物件を手放す理由から「投資しても問題ない物件かどうか」という確認は必ず行うようにしましょう。

前もって状況を確認してから、オーナーチェンジ物件の投資の検討を

オーナーチェンジ物件は、資金計画が立てやすく割安で購入できる点がメリットです。しかし物件内の状況や入居者の属性まで知ることができないため、場合によってはわけあり物件の可能性があります。そのため購入前にはできるかぎり「入居者情報の確認」「売りに出された理由」など事前にリサーチできることはすべてリサーチしたうえで投資の意思決定を行いましょう。