なぜ医師は不動産投資に向いているのか?知っておきたい3つの理由
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鈴木まゆ子
鈴木まゆ子
税理士・税務ライター|中央大学法学部法律学科卒業後、㈱ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。「ZUU Online」「KaikeiZine」「朝日新聞『相続会議』」「マネーの達人」「納税通信」などWEBや紙面で税務・会計に関する記事を多数執筆。著書「海外資産の税金のキホン(税務経理協会、共著)」。

「医師は不動産投資に向いている」といわれます。実際、本業のかたわら投資物件を保有している医師は少なくありません。それはなぜでしょうか。今回は、医師が不動産投資に向いている理由を3つお伝えします。

理由1:融資を受けやすい

不動産投資向けの融資を受けやすい人の条件として、以下の3点が挙げられます。

  • 収入や勤務先が安定している
  • 過去の信用情報に問題がない
  • 自己資金や金融資産を蓄えている

一般的に、医師は高収入です。そのため現時点で投資をしていなくても、現預金などの形で資産を蓄えています。また、今後は少子高齢化によって医療がますます必要になることを考えると、医師の収入は安定しているといえるでしょう。

以上の理由から、金融機関から医師は「属性が高い」と判断されやすいのです。

理由2:節税対策になる

高収入の医師の悩みは、「税金が高い」ことではないでしょうか。毎年、毎月の納税だけでなく、将来発生する相続税も気になるところです。

不動産投資を行えば、以下の制度によって節税することができます。

所得税・住民税

不動産投資によって生じた賃貸料収入は、税法上「不動産所得」になります。

不動産投資を始めても、最初から黒字になるとは限りません。安定した賃貸料収入があっても、多額の減価償却費を計上したために赤字になることがあります。通常、この赤字は所得計算上「0円」として扱われるのですが、以下の所得については赤字を他の所得の黒字と相殺することが認められています。

  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 山林所得
  • 譲渡所得の一部

これらの所得の赤字と他の所得の黒字を相殺することを「損益通算」といいます。損益通算を行うと、課税対象となる所得額が減るので、所得税・住民税を抑えられるのです。

相続税

持っている現預金で賃貸用物件を購入して賃貸業を行うと、相続税を抑えられます。相続税は、相続する正味の遺産額を基準に計算されるからです。正味の遺産額は、以下の式で計算します。

相続や遺贈で取得したプラスの財産+死亡保険金や死亡退職金などのみなし相続財産-仏壇・仏具などの非課税財産+相続時精算課税制度で生前贈与した財産-相続したマイナスの財産-葬式費用+死亡日以前3年間に贈与した財産

ここで注目すべきは、「相続や遺贈で取得したプラスの財産」「相続したマイナスの財産」です。

  • 相続や遺贈で取得したプラスの財産とは
    プラスの財産とは、現預金や不動産といった価値のある財産のことです。課税対象となる相続財産の金額は、相続税法や財産評価通達が定めた「相続時の時価」で評価した金額です。現預金はその金額がそのまま対象になりますが、アパートやマンションといった賃貸用の建物と土地は以下のように評価します。

【建物】

固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)

【土地】

路線価方式または倍率方式で評価した金額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

固定資産税評価額で評価すると、土地は「公示価格×70%」、建物は「建築価格×50~70%」に収まります。また、路線価評価で評価した土地は「公示価格×80%」程度になります。借家権割合は全国一律30%ですが、借地権割合は地域によって違い、30~90%です。

以上を踏まえると、賃貸物件が相続時に満室ならば、建物の評価額は現預金の評価額の35~50%程度、土地の評価額は50~70%程度になります。

プラスの財産としての投資物件の相続税評価額は、おおむね上記のとおりです。

  • 相続したマイナスの財産とは
    一方でマイナスの財産とは、相続開始時に残っている借金残高や未払費用・税金などのことです。「債務控除」という形で、課税される遺産額から差し引きます。

一般的に不動産投資を行う際は金融機関でローンを組みますが、相続開始時にローンが残っていれば、その分だけ課税される相続財産は少なくなります。ただし、団体信用生命保険に加入している場合はローン残債が保険金で相殺されることから、遺産額が少なくなることはありません。

まとめると、現預金を投資用不動産に換えただけで、以下の2つの効果によって相続税を節税できるのです。

  1. プラスの財産は課税される財産の評価額が下がる
  2. マイナスの財産によって、さらに課税される財産の額が下がる

理由3:手間をかけずにお金を殖やせる

収入を増やす方法は、不動産投資だけではありません。余った時間で他の医院でアルバイトやパートをする、金融商品に投資する、別の副業をするなど、いろいろあります。どの方法を選んでもお金は得られる可能性がありますが、不動産投資と大きく違うのは「手間がかかる」ことです。

アルバイトやパートをしている時間は勤務先に拘束され、好きなことができません。金融商品への投資も、価格変動を適宜確認する時間が必要になるでしょう。場合によっては、そのタイミングで売買をするといった作業が発生することになります。別の副業をするにしても、その作業に時間がかかります。

一方で不動産投資なら、管理会社が家賃回収や必要経費の支払いなど必要な事務を行ってくれるので、手間がかかりません。そのため、忙しい医師が効率よくお金を殖やす手段として、最適なのです。

注意点

医師が不動産投資に向いている理由を3つお伝えしました。忙しい医師が資産を殖やす方法として不動産投資は最適なのですが、以下の点には注意が必要です。

将来の空室リスクや修繕費も考えよう

利回りの高さは、不動産投資の魅力の一つです。しかし、それは保証されているものではありません。建物は時間とともに劣化します。新築なら入居者を集めやすいのですが、建物が古くなるにつれて空室が目立つようになります。空室リスクを抑えるためにはこまめな修繕が必要ですが、これにはかなりのコストがかかります。

収益性の維持や投資コストのバランスを考えるなら、立地条件や周辺状況、投資家自身の将来の収入の見通し、資金繰りも併せて考えなくてはなりません。

ローンの返済計画には余裕を持たせよう

不動産投資で組んだローンの金利は所得税を計算する際に経費として計上できます。このようなことから、不動産投資ローンには節税効果があるのです。

しかし、もっと大切なのは「資金繰り」です。無理なローン返済で本業や生活に支障が出てしまっては、元も子もありません。また、投資用不動産とローンを同時に相続した親族が、節税はできても返済で苦しむようでは、「不動産投資なんてしてほしくなかった」と恨まれるかもしれません。

不動産投資は収入や資産を殖やし、自分や家族を幸せにするための投資であることを念頭に置き、ローンの借入額や返済額には余裕を持たせるようにしましょう。

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