資産形成に適した投資信託の選び方 確認しておきたいポイントを解説
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大西 勝士
大西 勝士
フリーランスの金融ライター(AFP、2級FP技能士)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。10年以上の投資経験とFP資格を活かし、複数のメディアで執筆しています。

投資信託は、資産形成手段として活用できる金融商品の一つです。国は「つみたてNISA」「iDeCo」といった制度を創設し投資信託を活用した個人の資産形成を支援しています。しかし投資信託は、さまざまな商品が販売されているため「どんな商品を選べばよいか分からない」といった人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、資産形成に適した投資信託の選び方について詳しく解説します。

投資信託とは

投資信託とは、複数の投資家から集めた資金を一つにまとめ専門家が株式や債券などで運用を行う金融商品です。投資信託の運用で得られた収益は、投資金額に応じて投資家に分配される仕組みとなっています。投資信託は、少額から購入でき運用をプロに任せることが可能です。また積立投資にも対応しているため、投資初心者や仕事が忙しい人でも取り組みやすいでしょう。

2021年2月末現在、国内では約5,800本の投資信託が販売されています。投資信託は、銀行や証券会社が取り扱っており口座開設をすれば誰でも売買することが可能です。

投資信託のメリット

投資信託の主なメリットは、以下の4つです。

少額から投資を始められる

投資を始めるには、まとまったお金が必要と感じている人も多いのではないでしょうか。しかし投資信託は1,000円程度から購入することが可能です。ネット証券の中には、100円から購入できるところもあるため、まとまったお金を用意しなくても手元にあるお金で今すぐ投資を始めることができます。ただし投資金額が少額な場合、大きく損をすることはありませんが資産が大きく増えることもありません。

まずは、少額から試してみて慣れてきたら少しずつ投資金額を増やしていくといいでしょう。

簡単に分散投資ができる

分散投資とは、一つの資産・銘柄に投資するのではなく複数の資産や銘柄に投資することです。値動きの異なる資産や銘柄へ投資先を分散することでリスクを軽減することが期待できます。例えば国内株式のみに投資する場合、国内の株価が下がると資産は大きく目減りしてしまうでしょう。しかし国内外の株式や債券などに投資先を分散した場合はリスクを分散することが可能です。

国内株式の値下がりを他の資産(海外株式、海外債券など)の値上がりでカバーすることが期待できます。投資信託は、さまざまな資産や銘柄に投資を行うため、簡単に分散投資が可能です。

積立投資に対応している

投資信託は、毎月一定額を購入できる積立投資に対応しています。一度積み立ての設定をすれば後は金融機関が自動的に購入してくれるため、時間や手間がかかりません。また投資は「価格が安いときに買って高いときに売る」のが理想ですが価格がどのように動くかは予測できないため、実践するのは難しいでしょう。

しかし積立投資は、価格が高いときには少なく安いときには多く買えるため、積立投資を長く続けることで購入単価を平準化させる効果が期待できます。(ドルコスト平均法)

非課税制度が利用できる

投資信託は、利用できる非課税制度が多いこともメリットの一つです。投資信託の運用益(売却益・分配金)には、通常約20%の税金がかかります。しかしつみたてNISAやiDeCoといった非課税制度を利用すると運用益に税金がかからないため、効率的に資産を増やすことが期待できるでしょう。投資信託で資産形成に取り組む場合は、非課税制度を積極的に利用することが重要です。

資産形成に適した投資信託を選ぶポイント

投資信託は、さまざまな種類があるため、「どんなファンドを選べばよいか分からない」という人も多いかもしれません。ここでは、資産形成に適した投資信託を選ぶときに確認しておきたいポイントを紹介します。

インデックスファンドであること

インデックスファンドとは、特定の指数に連動する投資成果を目指して運用される投資信託です。例えば日経平均株価に連動するインデックスファンドの場合、日経平均株価と同じように基準価額が上下します。インデックスファンドは、仕組みがシンプルで投資成果が分かりやすく市場平均のリターンが期待できるのがメリットです。

また投資テーマが古くならないため、長期保有に適しています。投資信託で資産形成に取り組むならインデックスファンドを選びましょう。

純資産総額が一定の規模以上

純資産総額とは、投資信託の規模を表す指標のことです。投資信託に組み入れられている株式や債券などの価格に配当金などを加えてコストを差し引いて算出されます。投資信託は、純資産総額が小さいと採算が合わずに運用が途中で終了するリスクが高まります。明確な基準はありませんが純資産総額は100億円以上を目安にするといいでしょう。

分配金を出さない

投資信託の中には、定期的に分配金が支払われるファンドもあります。分配金がもらえることに魅力を感じる人もいるかもしれませんが分配金が出るファンドは資産形成に不向きです。分配金を出さずに利益を元本に組み入れて運用を継続することで利益が増幅していく複利効果が期待できます。運用期間が長くなるほど複利効果は大きくなるため、資産形成が目的なら分配金を出さないファンドを選ぶことが大切です。

販売手数料・信託財産留保額が無料

投資信託を購入するときは販売手数料、解約するときは信託財産留保額がかかります。ただしファンドの中には、販売手数料と信託財産留保額が無料のファンドもあります。投資で資産を増やすには、可能な範囲で運用コストを節約することが大切です。株価は、コントロールすることができませんがファンド選びを工夫すればランニングコストはコントロールできます。

そのため投資信託を購入するときは、販売手数料や信託財産留保額が無料のファンドを選びましょう。投資信託の販売手数料は、同じファンドでも金融機関によって手数料が異なる場合があるため、注意が必要です。

信託報酬が低い

投資信託を保有している間は、信託報酬と呼ばれる運用管理費用がかかります。信託報酬は、運用資産から毎日差し引かれるため、投資成果に大きな影響を与えかねません。金融庁の資料によると100万円を投資して信託報酬控除前のリターンが4.5%だった場合、信託報酬が1%違うと20年間で投資成果に約33万円の差が生じます。

同じような投資先の投資信託でもファンドによって信託報酬に差があるため、投資信託を選ぶときは、複数の商品を比較して信託報酬が低いファンドを選ぶといいでしょう。

償還日が無期限

償還日とは、投資信託の運用終了日のことです。投資信託の償還日は、無期限のファンドもあればあらかじめ償還日が決まっているファンドもあります。長期の資産形成が目的であれば償還日は無期限のファンドを選びましょう。

初心者はつみたてNISA対象商品から選ぶと安心

投資経験がない人が初めて投資信託を選ぶ場合は、つみたてNISAの対象商品から選ぶのがおすすめです。つみたてNISAは、投資できるファンドが決まっており金融庁が「長期積立」「分散投資」に適した一定の投資信託を厳選しています。つみたてNISA対象商品の主な条件は、以下の通りです。

  • 販売手数料はゼロ(ノーロード)
  • 信託報酬は一定水準以下(国内株のインデックスファンドの場合は0.5%以下)
  • 運用期間が無期限または20年以上
  • 分配頻度が毎月でないこと
  • デリバティブ取引による運用を行っていないこと(ヘッジ目的を除く)

どんな投資信託を選べばよいか分からない場合は、つみたてNISA対象商品から選ぶと安心です。

資産形成に適した投資信託を選ぼう

金融機関では、さまざまな種類の投資信託が販売されているため、初心者がファンドを選ぶのは簡単ではありません。投資信託選びに失敗してしまうと長期運用を続けても資産を増やすのは難しくなります。この記事で紹介した内容を参考に長期的な目線で資産形成に適した投資信託を選びましょう。

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