行政サービスの質は、自治体の財政状況によって変わります。安定した財政で歳入も多ければ、自治体はそれだけ暮らしやすいまちづくりに費用を投じることができます。東京都23区内でこれから先も快適に暮らせるまちを探しているのなら、各区の歳入に注目してみましょう。ここでは、2020年度版の「23区歳入ランキング」をご紹介します。
もっとも収入が多いのはやっぱりあの区
23区内でもっとも区民1人当たりの収入が多いのはどの区なのでしょうか。早速ランキングを見ていきましょう。
順位 | 区 | 区民1人当たりの歳入 |
---|---|---|
1位 | 千代田区 | 97万9,800円 |
2位 | 中央区 | 69万4,400円 |
3位 | 港区 | 55万7,800円 |
4位 | 新宿区 | 44万4,000円 |
5位 | 文京区 | 49万600円 |
6位 | 台東区 | 51万1,200円 |
7位 | 墨田区 | 45万3,800円 |
8位 | 江東区 | 40万8,300円 |
9位 | 品川区 | 47万4,000円 |
10位 | 目黒区 | 37万8,100円 |
参照:「特別区の統計 令和2年版」|公益財団法人 特別区協議会
区民1人当たりの歳入がもっとも多いのは千代田区でした。2位以下の額を大きく引き離している千代田区は、23区内でもっとも人口の少ない区です。このことも区民1人当たりの歳入額を増やしている要因と考えられます。
さらに千代田区区民の構成を年齢別で見ると、15~64歳の生産年齢人口が69.2%、65歳以上の老年人口は17.8%と、生産年齢人口の多さは23区の中で上位に入ります(2018年現在)。1人当たりの歳入の多さ、生産年齢人口の多さから、千代田区は23区の中でもっとも安心して暮らせる区と言えそうです。
都心3区がトップ3を独占
同じく、区民1人当たりの歳入ランキングを見ると、トップ3に入るのは都心3区と呼ばれる都内の中心エリアであることがわかります。
交通アクセスがよく通勤に便利で、かつ財政が安定している都心3区は将来にわたって快適に暮らせる可能性が高いでしょう。
トップ10の区を見ると、不動産の価値が高く賃料も高い傾向にある区が並んでいます。財政が安定している区は、街並みの整備や治安の向上にもしっかりと予算をかけられることから、「住みやすいまち」として変わらぬ人気を得ているのかもしれません。
将来にわたって快適に暮らしたいのなら千代田区一択?
将来にわたって快適に暮らしたいのなら、区民1人当たりの歳入額がもっとも多い千代田区を選択するとよいでしょう。千代田区は賃貸住宅の賃料も23区一を誇ります。分譲マンションでは新築・中古ともに1億円を超える物件が多くあります。
自分が住む場所としてだけでなく、投資用の物件を購入するのなら価値が下落しにくい都心3区に的を絞るのもよさそうです。