3つの条件!医師の節税対策ではどんな物件を購入すべきか?
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年収が高い医師の中には、節税のために不動産投資を検討されている方もいるでしょう。

現在の日本の税制は、以下の表のように所得が高くなるほど税率が上がる仕組みになっているため、所得が高い人ほど節税メリットを享受できます。

課税所得の金額(万円) 税率(%) 合計税率(%)
所得税 住民税
900〜1,799.9 33 10 43
1,800〜3,999.9 40 50
4,000〜 45 55

不動産投資では物件によって節税のパフォーマンスが大きく異なるため、どのような物件を購入するのが節税対策として有効かを理解しておくことが重要です。

本記事では、高年収の医師が不動産投資を通じて節税対策を行う際に、購入すべき物件の条件を3つ紹介します。

不動産投資による節税対策では「減価償却」が重要

不動産投資による節税対策においては、「減価償却」という会計上の処理がポイントになります。

節税対策に重きを置いた不動産投資を行う場合は、まず「減価償却」を活用した節税スキームを理解しておきましょう。

減価償却とは?

減価償却とは、経年によって価値が下落していく資産を取得した場合に、取得に要した費用をその資産の耐用年数に応じて計上していく会計処理のことです。

不動産投資においては、主に建物が「経年により価値が下落していく資産」に該当するため減価償却の対象となりますが、土地は経年劣化しないため減価償却の対象外です。

建物を取得した場合は、その金額を一度に費用として計上するのではなく、数年ないし数十年にわたって計上することになります。

減価償却費は実際の出費を伴わず、帳簿上だけに経費を発生させる会計処理であるため、合法的に所得を圧縮できます。

所得の圧縮によって所得税および住民税を抑えられる

所得税および住民税の金額は課税対象となる年の所得の金額によって決まるため、所得を圧縮することで抑えられます。

所得の圧縮とは、毎年の確定申告において本業(医業)および不動産賃貸業の収入(家賃収入等)から不動産賃貸業のための経費(減価償却費やローンの支払金利、固定資産税・都市計画税など)を差し引くことです。

上記のような所得の圧縮を「損益通算」といい、損益通算を行う時に実際の出費を伴わない減価償却費が圧縮に貢献します。

減価償却費の算出方法

減価償却費は、以下の計算式によって算出されます。

減価償却費
=建物金額÷減価償却期間
減価償却期間
法定耐用年数>築年数の場合 法定耐用年数≦築年数の場合
=(法定耐用年数-築年数)+築年数×0.2 =法定耐用年数×0.2

法定耐用年数とは、建物など経年劣化する固定資産の使用可能年数として法的に定められたものを指し、建物(住宅用)の法定耐用年数は構造によって以下のように定められています。

構造 法定耐用年数(年)
軽量鉄骨造 19
木造 22
重量鉄骨造 34
RC造・SRC造 47

法定耐用年数を経過した建物であっても、日常的なメンテナンス(修繕や設備交換など)を適切に行っていれば賃貸住宅としての利用価値が保たれるため、物件を購入する際に築年数を過度に気にする必要はありません。

3つの条件!医師の節税対策ではどんな物件を購入すべきか?

医師が節税対策に主眼を置いて不動産投資を行う場合、購入すべき物件の条件は以下の3つです。

節税対策のみならず、不動産投資としての収益性も重要なファクターといえます。

  • 減価償却費を短期間で大きく計上できる
  • 賃貸需要がある
  • 流動性が高い

減価償却費を短期間で大きく計上できる

減価償却費は不動産投資による節税対策において重要な役割を担っているため、節税対策に主眼を置く場合は、減価償却費を短期間で大きく計上できる物件を選ぶことが大切です。

減価償却費を短期間で大きく計上できるのは、以下3つの条件を満たす物件です。

  • 建物の金額が高い
  • 木造または軽量鉄骨造
  • 法定耐用年数≦築年数

減価償却費は建物の金額を基準にして計算されるため、減価償却費を大きく計上するためには建物の金額が高い物件が適しています。

減価償却期間の観点では法定耐用年数が短く、かつ築年数が法定耐用年数以上の物件、すなわち築22年以上の木造物件または築19年以上の軽量鉄骨造物件が、短期間で減価償却費を大きく計上できる組み合わせです。

賃貸需要がある

節税対策に主眼を置いた不動産投資においても、収益性(家賃収入)の視点を持つ必要があります。

節税対策を講じたとしても、家賃収入が得られずキャッシュフローがマイナスになってしまうと、最終的に手元に残る金額が少なくなるためです。

不動産投資の主な収入源は家賃収入なので、長期的に賃貸需要があり、絶えず入居者を見つけられるエリアや間取り、内外装の物件を選びましょう。

エリア全体の空室率や人口推移、賃貸需要の高い間取りといったマーケットデータを参照して、家賃収入を継続的に得られる物件か否かを見極めることが重要です。

流動性が高い

流動性とは換金のしやすさのことで、不動産投資において流動性が高い物件とは、売買が盛んに行われており、売却が容易である物件を指します。

節税対策に主眼を置いた不動産投資では、減価償却が完了した物件は節税効果が大幅に減ることから、減価償却の完了時点で売却するのが合理的であるケースがあるため、流動性の高さが重要です。

減価償却が完了した物件を保有し続ける場合、継続して家賃収入は得られますが、計上できる経費が大きく減少することで納税額が増えるため、節税対策という目的から逸脱する可能性があります。

流動性が高く、スムーズに売却できる物件のほうが、節税対策という目的に沿うでしょう。

流動性の高さを判断する際は、そのエリアにおける取引件数の多さが一つの指標になります。

各エリアにおける取引件数は、「レインズ」という国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営するシステム上で確認できるため、毎月データを定点観測するのもよいでしょう。

減価償却による所得圧縮シミュレーション

減価償却費を計上することで具体的にどの程度の所得圧縮効果が見込めるのか、以下のような条件の物件を例にシミュレーションしてみましょう。

  • 物件価格1億円(建物価格6,000万円)
  • 表面利回り9%
  • 築22年
  • 木造アパート

減価償却期間

木造アパートの法定耐用年数は22年であり、本物件は築年数が法定耐用年数以上であるため、減価償却期間は4年間です。

22年×0.2=4.4年
→4年間(端数切り捨て)

1年あたりの減価償却費

6,000万円の建物を4年間で減価償却するため、1年あたりの減価償却費は1,500万円です。

6,000万円÷4年間=1,500万円/年

損益通算

本物件は物件価格1億円で表面利回りが9%なので、年間家賃収入は900万円(1億円×9%=900万円)です。

900万円の収入に対して減価償却費が1,500万円であるため、減価償却費の計上だけで4年間にわたって年間600万円(900万円-1,500万円=-600万円)もの所得圧縮効果があります。

本業(医業)の所得から不動産所得の損失を差し引く(損益通算)ことで所得を圧縮し、所得税および住民税を抑えられます。

節税対策のみにフォーカスしすぎないことも重要

年収の高い医師が節税対策をする手段として、不動産投資は有効な選択肢の一つです。

減価償却費という経費を活用することで、実際の出費を伴うことなく所得を圧縮することができるため、不動産投資は合理的な節税対策といえるでしょう。

節税対策に主眼を置いた不動産投資においては、購入する物件の構造や築年数という節税に関する事項の確認のみならず、投資である以上は収益性についても考慮する必要があります。

減価償却が完了して計上できる経費が減った時、スムーズに売却できるような物件を選ぶとことも、忘れてはならない重要なファクターです。

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