マンション投資で物件購入を考えた際に、新築マンションと中古マンションのどちらを購入したらいいのか悩む人も多いのではないでしょうか。不動産投資の初心者の場合、「なんとなく新築を購入したいが資金面で心配」というケースもあるかもしれません。新築マンションと中古マンションには、どちらにもメリット・デメリットがあります。本記事では、それぞれの特徴について解説します。

新築マンションのメリット

不動産投資の観点から見た場合、新築マンションのメリットとしては主に以下の5つがあります。

・ 入居率が高い
・ 節税になる
・ 修繕費がかからない
・ 保証期間が長い
・ 売却がしやすい

入居率が高い

新築マンションは、入居者がつきやすい点が大きな魅力です。流行を取り入れた外観や内装、最新の設備やセキュリティなどが充実しているため、入居者側からも人気が高く、不動産投資最大のネックとなる空室リスクを低減できます。家賃も高めに設定でき長期の家賃保証がついている物件も多いため、「資金は用意できるのでとにかくリスクを取りたくない」という人向きです。

ただし新築マンションについている家賃保証とは家賃の支払保証となるため、「金額の保証」ではありません。一度設定した家賃は、家賃保証契約の更新時に値下げされる可能性があることも念頭に入れておきましょう。

節税になる

マンションの購入では多額の資金が必要になるため、購入費のうち何割かは減価償却を行い翌年以降の経費として計上することが可能です。そのため物件購入の翌年から入ってくる不動産収入を帳簿上の経費と相殺することができます。経費が増えることで課税所得が圧縮され結果的に所得税が削減可能です。

新築の場合は、減価償却の期間が長い分、中古物件よりも節税メリットが大きくなります。

売却がしやすい

不動産投資を行うにあたって「最終的にどのようにして物件を手放すのか」という出口戦略の策定は、極めて重要です。不動産は年数経過に伴い価値が下がっていきます。最悪の場合、不資産価値がなくなった物件は買い手がつかず、取り壊して土地のみを売らなければいけなくなる可能性もあるでしょう。

一部のブランドマンションやニーズの高い都心の物件を新築で購入した場合は、売却するタイミングにもよりますが購入時と同等、あるいはそれに近い金額がつくこともあります。

修繕費などがかからない

中古物件の場合、購入費用とは別に大がかりな修繕が必要になるケースがありますが、新築の場合はその心配もありません。中古物件の場合、入居率を高めるために設備や外観を最新のものに変えなければならない可能性もあります。

新築マンションのデメリット

メリットも多い新築マンションですが、以下2つのデメリットがあります。

・ 物件価格が高い
・ 利回りが小さい

物件価格が高い

新築マンション投資で最大のネックとなるのは、やはり高額な物件価格でしょう。新築のマンションは、そもそも「新築」という理由以外にも宣伝のための人件費や広告費用などが上乗せされているため、実際価値よりも2割ほど高い値段がついている場合があります。数千万円ほどの資金をすべて自己負担できない場合はローンを組むことになりますが、長期返済となると貸し倒れリスクも高まってしまいます。

利回りが小さい

新築マンションは、家賃を高く設定できると説明しました。しかしローンを組むことも多い新築マンション投資では、毎月の家賃収入からローンの返済額が差し引かれるため、利回りが低くなりがちです。変動金利のローンを利用している場合は、将来的に金利が見直されるとさらに収支が悪化する可能性がある点についても注意しておきましょう。

中古マンションのメリット

中古マンション投資は、新築マンションに比べて参入障壁の低くさが特徴で以下のような2つのメリットがあります。

・ 物件価格が安い
・ 過去の入居情報を参考にできる

物件価格が安い

中古マンションは、そもそもの販売価格が安く新築マンションのように宣伝費用などが上乗せされていないため、比較的少額で購入することも可能です。安い資金で購入できれば高額なローンを組まずに購入でき、結果として利回りは高くなる傾向にあります。一般的に中古物件の利回りは5%前後でそれ以上の利回りも見込めますが、新築物件ですと一般的には3~4%前後止まりと言われています。

利回りが高いと毎月のキャッシュフローも良好に保ちやすいため、修繕費や空室のリスクが少ない物件であれば投資対象として魅力的でしょう。

過去の入居情報を参考にできる

中古マンションの場合、新築と違って過去の入居状況や物件の管理状況などについて購入前に知ることができます。「どの程度の割合で空室が発生していたのか」「物件の維持や修繕などがどの程度の間隔と費用で行われているのか」などについて分かれば運用計画も立てやすいのではないでしょうか。

中古マンションのデメリット

中古マンションを購入するにあたって事前に踏まえておくべきデメリットとしては以下の通りです。

・ 初期の自己負担金が多い
・ 表面利回りと実質利回りに差が生じる物件もある

初期の自己負担金が多い

中古マンションは、新築マンションに比べて資産価値が低くなっています。そのため住宅ローンが受けにくく購入にはまとまった自己資金が必要になる点がデメリットです。物件によっては、修繕や改築が必要になるケースもあるため、どうしてもキャッシュに余裕のある人に有利となってしまいます。管理費用や積立修繕費なども新築に比べて高くなりがちです。

中古マンションは、新築マンションに比べて購入してすぐの一時的な支出が多くなりがちだと認識しておきましょう。

表面利回りと実質利回りに差が生じる物件もある

表面利回りとは、物件の維持管理などに必要な諸経費を考慮しない利回りです。実質利回りとは、不動産収入から経費を差し引いた利回りです。中古物件は、前述のように初期の支出金が多く定期的にメンテナンスしなければならない可能性も考慮すると、実質利回りが想定以上に低くなってしまう可能性もあります。

中古物件の広告などで掲載されている表面利回りに惑わされることなく、常に「実質利回りはどの程度のものなのか」と問いかけるようにしましょう。

結局投資をするなら新築と中古のどっち?

結局新築マンションと中古マンション、どちらを購入すればいいのでしょうか。その答えは「購入資金を用意できるなら新築のブランドマンション」「資金に余裕がなかったり不動産投資初心者であったりする場合は築浅の中古かリノベーション物件」です。以下より個別に説明します。

資金があるなら新築のブランドマンション

多額の自己負担金も用意でき高額なローンの審査にも通る可能性があるなら「入居率の高さ」「売却時の価格」などの点から新築のブランドマンションの購入がおすすめです。新築は、購入と同時に値段が下がるといわれています。しかしすでに説明した通りブランドマンションならその心配も少ないでしょう。ただしブランドマンションは投資家からの人気も非常に高く購入が難しい点がネックです。

不動産投資初心者なら築浅の中古かリノベーション物件

不動産投資の経験が浅いなどの理由から新築マンションか中古マンションか決められない場合は、中古で築浅物件かリノベーション物件を購入しましょう。築5年以内の築浅や専門業者の手が加わったリノベーション物件であれば、購入直後の修繕費や改築費を抑えられるでしょう。購入価格に関しても新築物件よりかは安いため、比較的初心者でも手を出しやすい物件といえます。

まとめ

新築マンションは物件価格が高い分、不動産投資で重要な「入居率の高さ」「売却時の価格」などがある程度見込めます。中古物件は、新築に比べると空室や資産価値の下落リスクがありますが、購入価格の低さや利回りの高さが魅力です。不動産投資初心者で高額すぎる物件を購入できない場合、まずは築浅物件やリノベーション物件などへの投資から始めて有給付与新築のブランドマンションなどの購入を視野に入れてはいかがでしょうか。