不動産投資は、比較的リスクを抑えながら安定したリターンを得ることが期待できます。しかしよく内容を理解せずに投資を始めてしまうと思わぬ落とし穴に陥りかねません。本記事では、不動産投資を始める前に知っておきたい落とし穴を解説していきます。

不動産投資に潜むリスクとは?

不動産投資とは、ワンルームなどの物件を購入し第三者へ貸すことによって収益を得る投資のことです。不動産投資には、主に以下のようなメリットがあります。

・ 比較的簡単に始めることができる
・ 比較的リスクを抑えてリターンが期待できる
・ 団体信用生命保険に加入すれば万が一の際でも遺族に借入金のない資産を残せる

しかし不動産投資には、メリットだけではなく気をつけておかなければならないリスクもたくさんあります。そのため不動産投資を始める前には、これらのリスクを十分に理解してから始めるようにしましょう。

不動産投資のリスクとは何がある?

不動産投資は、主に以下の5つのリスクがあります。

空室リスク
不動産投資は、入居者がいないと収益を得ることができません。また不動産をローンで購入した場合は、賃料収入を返済原資とするのが一般的です。しかし空室が続いてしまうとローンの返済の原資を確保できないため、自分で持ち出しが必要になるなど負担が大きくなってしまい家計を圧迫することになります。

災害リスク
日本は、地震大国でと呼ばれているため、地震による物件価値の低下、家賃の低下、物件の破損といった災害リスクが常にあります。

金利上昇リスク
マイナス金利政策下にある日本においては、預金や貸出金利が低い傾向です。しかしローンの金利が上がってしまうとその分返済額も上がってしまいかねません。そのため毎月の収支のバランスが金利上昇により悪くなる可能性があります。

家賃滞納リスク
入居者が家賃を滞納してしまうと家賃収入が入ってきません。滞納が続けば、空室時と同様に返済原資が確保できず、負担が大きくなってしまう可能性があります。

管理リスク
不動産を維持していくためには、管理費や修繕積立金の支払いなど物件の管理が必要です。管理費や修繕積立金は、状況によっては年々高くなる可能性があります。そのため自己の物件では、経年劣化した設備を実費で修理をしなければなりません。

不動産投資のリスクを理解していないと

不動産投資の主な5つのリスクを挙げましたが不動産投資を始める前には、必ず「リスク」について考えておく必要があります。不動産投資のリスクを考えずに投資を始めてしまうと空室によってローンの返済額が大きくなってしまい家計を圧迫してしまいかねません。また物件の管理費用を支払うことができなくなったりローンを返済できなくなったりして最終的に損をしたまま売却せざるを得ない可能性もあります。

不動産投資のリスクを回避する方法

不動産投資を始める前には、不動産投資のリスクについて理解するだけでなく「いかに回避するか」ということを実行していくことが重要です。以下では、各リスクの回避方法について考えていきましょう。

空室リスク
空室リスクを抑えるための選択肢の一つに「サブリース」という方法があります。サブリースは、物件を借り上げしてもらい家賃支払いの保証をしてもらうことで空室リスクを抑える方法です。しかし通常の家賃よりも支払われる収益が低くなる可能性もあるため、契約内容をしっかりと確認して納得したうえで利用するようにしましょう。

災害リスク
災害リスクの抑え方は、火災保険に加入したり地震保険に加入したりすることで回避をしましょう。新耐震基準の物件は、大地震でも比較的耐えられる物件が多くあります。しかし100%リスクを回避できるわけではありません。必ず加入をしておきましょう。

金利上昇リスク
一般的に不動産投資のローンは、変動金利で組むため、金利上昇のリスクは抑えることができません。金利上昇リスクがあることを理解したうえで、通常のローン返済額よりも余裕のある出費ができるように心がけましょう。

家賃滞納リスク
家賃滞納を避けるためには、「入居者の属性」が重要です。「入居者を見極められる管理会社」を選定できれば、入り口の段階で滞納リスクを下げることが期待できるでしょう。

管理リスク
老朽化の状況によって異なりますが、管理費や修繕積立金は、経年によって上がっていく傾向です。そのため最初に提示された管理費や修繕積立金が高くなってしまった場合でも問題のないように収支のバランスを考えておくとよいでしょう。

それでもリスクは100%回避できない

リスクの回避方法について解説していきました。しかしすべての対策が万全だったとしても100%リスクを回避することはできません。たとえサブリースにしたとしてもサブリースの会社が保証した家賃を支払わないケースもあり実際に問題になった事件もありました。そのためサブリースにしたから100%安心というわけではないのです。

不動産投資には、「常にリスクが潜んでいる」ということを理解しておきましょう。できる対策を講じたうえでスタートすることをおすすめします。不動産投資をする中で、どうしても回避できないリスクは以下のようなものがあります。

・ 大地震が起こって破損が起きたものの地震保険で損害額全体の補償が得られない
(大規模災害の際には、保険金を削減して支払われる可能性が高い)
・ 経済状況の変化などにより急に地域全体の人口が減ってしまったり人気エリアではなくなったりしてしまう

特にコロナウイルスの影響により地方へ移住する人も増えてきました。このような経済状況や世界情勢によっても不動産投資は少なからず影響があるといえるでしょう。

回避できないリスクの対処法とは?

不動産投資には、回避できないリスクもあります。またリスク一つ一つが与えるダメージが非常に大きい傾向です。そのためどうしても回避できないリスクについては、例えば「信頼できる不動産会社、信頼できる担当をつける」といったことを実践してみましょう。リスクは、すべて回避できないため、何かあったときの対処を十分に任せられる不動産会社や担当をつけることが重要です。

これにより安心して不動産投資を行うことが期待できます。信頼できる不動産投資のパートナーをつけるためには、以下の4点を問題なく説明できる担当者や不動産会社を探すことが大切です。

・ メリットだけでなくデメリットも説明してくれるかどうか
・ 大きなリスクについての具体的な対処法を知っているかどうか
・ 不動産投資のキャッシュフローだけでなく、日々の生活のキャッシュフローを気にしてくれているか
・ 万が一の大きな出費について理解しているか、説明しているか

不動産投資は出口戦略やリスクを考慮して投資をしよう

不動産投資を成功させるためには、「出口戦略やリスクをしっかりと考えられているか」につきます。そのため今一度以下の内容をしっかりと確認したうえで不動産投資を検討しましょう。

・ 「出口戦略」を立てていつどのような形で利益を出していくか
・ その出口戦略の達成が見込めない場合にはどのような対処で利益を出していくのか
・ リスクはどのようなものがあり対処法は何があるのか
・ すべては回避できないリスクについてどのように向き合っていくか

不動産投資は、一つ一つが与えるリスクの影響度が大きいからこそ考えられるリスクを洗い出して解決することが重要です。リスクをしっかりと把握し納得をしたうえで不動産投資をスタートさせましょう。