世界中が注目した東京2020オリンピック。同オリンピックでは、日本選手も多くのメダルを獲得しました。金・銀・銅のメダルは、それぞれに「Gold」「Silver」「Bronze」と呼ばれています。金・銀は、英語で「Gold」「Silver」ですが本来銅は、英語で「Copper」です。なぜ銅メダルは「Bronze」と呼ばれているのでしょうか。

この記事では、銅メダルが「Bronze」と呼ばれる理由とあわせて東京2020オリンピックで取り組まれたメダルの秘話も紹介します。

銅メダルは使われている成分がポイント

銅メダルが「Bronze」と呼ばれているため、「銅=Bronze」と認識している人も多いかもしれません。しかし銅は英語で正確には「Copper」と訳します。なぜ銅メダルだけが直訳でない「Bronze」と呼ばれるのでしょうか。それは、銅メダルで使われている成分が「青銅」だからです。「Bronze」は、英語で青銅です。青銅は、以下の4つの成分から構成されています。

:60~65%
亜鉛:25~30%
:5~10%
すず:5~10%

オリンピックや国際大会で使われる銅メダルには、この青銅を使っていることから「Bronze」と呼ばれるようになりました。海外では、銅と青銅を区別しており例えば銅線は「copper wire」、銅像は青銅製のため「bronze figures」といいますが日本ではどちらも銅とされています。

日本が取り組んだメダル製作「都市鉱山」

オリンピックでは、過去さまざまな国でメダルプロジェクトとして取り組みが行われてきました。日本も例外ではありません。日本だからこそできたメダル製作の秘話を紹介します。

都市鉱山とは

不要になった携帯電話やパソコンなどには、再利用可能な資源がわずかに含まれておりその中には、金銀銅などの希少な金属もあります。これらの有効な金属資源が「都市鉱山」です。東京2020オリンピックでは、メダル製作にあたり都市鉱山を利用しています。日本全国から回収した小型家電から金属を製錬してメダルを作成した日本の取り組みは、オリンピック史上初です。

「みんなのメダルプロジェクト」

都市鉱山の資源を集めるために立ち上げたのが「みんなのメダルプロジェクト」です。自治体や携帯電話会社などの呼びかけにより不要になった小型家電から各資源が大量に回収できました。当初目標としていた量と実際に回収した量は、以下の通りです。

回収した金属 実際に回収した量 当初目標としていた量
約32キログラム 約1キログラム
約3,500キログラム 約1,200キログラム
約2,200キログラム 約700キログラム

予想を超える資源が集まりオリンピックが終わった後も「アフターメダルプロジェクト」として環境活動を行っていくと発表されました。このプロジェクトは、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に貢献しています。

メダルの成分や作られる過程を知るとおもしろい

銅メダルが青銅で作られていることを知らなかった人も多いのではないでしょうか。メダルの成分やメダルができるまでの過程を知るととても興味深いですよね。これからの時代、省資源や環境汚染に配慮した取り組みは欠かせません。今後執り行われるオリンピックの開催国の取り組みも期待が高まります。

さまざまな国際大会で授与されるメダルが、どのように作られているのか調べてみるのもおもしろいですね。