不動産投資
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丸山優太郎
丸山優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している

新型コロナウィルスの影響でオフィスビルの空室率が上昇していますが、東京都心のマンション価格は高値圏で推移しています。職住近接を推進する企業が増えているのも追い風になっているようです。東京都心では賃貸マンション賃料も上昇を続けており、改めてマンション投資の安全性が確認されています。なぜ、東京都心のマンション価格は下がらないのでしょうか。

コロナ禍でも東京都心のマンション価格は堅調

2020年春から流行した新型コロナウィルスの影響で社会全体が大きな打撃を受けました。政府の緊急事態宣言を受けて外出自粛要請が出され、その影響で飲食業界、旅行・観光業界、イベント業界、航空業界など多くの業界で業績不振に陥る企業が続出しました。不動産業界も例外ではなく、大きな影響を受けています。

オフィスビルにおいて社内が密になることや、電車で通勤することのリスクを避ける対策として、社員の何割かをテレワークと呼ばれる在宅勤務に切り替える企業が増えました。その結果、オフィス面積を縮小する動きが強まり、オフィス空室率が上昇する流れにつながっています。飲食店などの撤退で、テナントビルも空室が増え、入居を続けている店舗からは家賃値下げの要請が出されたビルもあり、政府が「家賃支援給付金」の支援策を実施するきっかけになりました。

ところが、コロナ禍でも東京都心のマンション価格は上昇を続ける意外な結果になっています。東京カンテイの「市況レポート」によると、2020年8月の東京23区の中古マンション価格は5,768万円と、前月比で+0.8%の堅調な推移をみせています。とくに都心5区のうち、千代田区・中央区・港区で力強い上昇がみられました。これは立地の優位性によることが原因とされています。

賃貸マンションの賃料も上昇続く

マンション価格だけでなく、賃貸マンションの賃料も緩やかに上昇が続いています。同じく東京カンテイの「市況レポート」によると、2020年8月の東京23区分譲マンション賃料は、1㎡あたり3,862円で前月比+0.3%と堅調な動きを示しています。賃貸マンションオーナーにとっては心強い限りです。東京カンテイでは、「全ての築年帯でプラス、上昇基調の陰りは見られず」と分析しています。

オフィスビルやテナントビルのように不況の影響を受ける不動産と違い、マンションのような居住用不動産は基本的な需要に変化はありません。住むところを無くすことはできないからです。むしろ不況になれば一戸建ての住宅ローンを支払えなくなった人が、売却して賃貸マンションに引っ越すという需要が生まれるかもしれません。

家計支出の面でみても、食費や光熱費、水道代などは節約できますが、家賃は節約することができません。滞納になると住めなくなるので、給与が入ったらまず家賃を確保するのが一般的です。その意味ではマンション経営は、不動産投資のなかでは最も安全な投資形態と考えてよいでしょう。

東京都心のマンションは資産価値が高い

では、東京都心のマンションはなぜ価格や家賃が下がらないのでしょうか。一番大きな理由は、人口の動向が2045年まで東京のみ高い水準を維持すると見込まれるからです。国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の地域別将来推計人口(平成30年推計)」によると、2045年の推計人口は全国で東京のみがプラスを維持する見込みです。

2015年を100とした数値が100.7と、わずかではありますが2015年の水準を維持すると予測されています。不動産価格や家賃は需要と供給で成り立っていますので、投資家も人口動態を計算して購入を続けているのでしょう。2045年といえば、2020年からみてもまだ25年あります。その間は東京に限れば人口減少の直接的な影響を受けずに賃貸経営を行うことができるのが、東京マンションの人気が衰えない原因かもしれません。

もう1つの理由は立地で圧倒的に優位という点です。不動産で好立地の条件としてよくいわれるのが、「駅歩10分以内」という利便性の高さです。東京都心は鉄道路線が充実しており、複数駅に近い物件もあることから、条件にあてはまるケースが多くなります。一方の駅は歩12分でも、もう1つの駅は歩7分という場合があるからです。駅歩10分以内であればインターネットの募集広告では検索でヒットしやすくなります。

「職住近接」の推進で今後も需要が見込める

新型コロナウィルスは、企業に感染対策の1つとして、通勤時間の短い「職住近接」を推進する動きをもたらしました。職住近接とは、職場と住居が近いことを表す言葉です。もともと日本は通勤事情が過酷で、満員電車に揺られながら、往復2時間程度かけて通勤する人が珍しくありませんでした。毎日長時間かけて通勤することが心身ともに疲労を蓄積させる原因になっていたと考えられます。

コロナ問題をきっかけに、職住近接を希望する社員を補助する制度を創設する企業も増えています。IT企業のサイバーエージェントは、「勤務しているオフィスの最寄り駅から各線2駅圏内に住んでいる正社員に対し月3万円、勤続年数が丸5年を経過した正社員に対してはどこに住んでいても月5万円の家賃補助を支給」(同社公式サイトより)する、「家賃補助制度 2駅ルール・どこでもルール」を実施しています。

「上場企業サーチ」の調べによると、2020年10月20日現在、上場企業3,857社のうち、東京に本社を置く企業は1,992社で全体の51.6%を占めています。全株式会社の集計では59万924社の本社が東京に所在しており、通勤ラッシュの原因にもなっています。もし、職住近接が進めば近隣の県から東京に引っ越す人が増えるため、賃貸住宅の需要がさらに増える要因になります。先に紹介した東京の賃貸マンションの家賃が堅調なのもそこらへんに理由があるのかもしれません。

東京都心のマンションは出口戦略でも高く売れる

不動産投資においては、毎月の賃料収入による「インカムゲイン」だけでなく、ローンの支払いが終わった物件を売却して「キャピタルゲイン」を得ることもできます。東京都心のマンションは出口戦略である売却も視野に入れて物件を選ぶ必要があります。

出口戦略で重要なポイントになるのが、新築で買ったマンションも、売却するときには中古になっているという点です。そこで物件を選ぶときに大事なポイントは、「中古になってもあまり価値が下がらない」「中古物件としても需要がある」の2点です。

中古物件を購入する投資家からみれば、すぐに入居者が見込める物件を探しているはずです。また、一般ユーザーからみると、通勤や通学に便利な立地の賃貸物件を探すでしょう。そこで両者からみて魅力があるのが東京23区のマンションです。

先に紹介したように東京23区の中古マンション価格は、コロナ禍にも関わらず5,768万円の高値で取引されています。出口戦略を考えると23区のなかでも都心5区といわれる、千代田、中央、港、新宿、渋谷がこれからも有望な物件として人気が続きそうです。

2021年もコロナ禍による「新しい日常」はしばらく続くことが予想されます。不動産投資においてはコロナの収束がみえるまでは、オフィスビル、テナントビル、一戸建てともに厳しい環境を覚悟しなければなりません。オフィスビルとテナントビルは、東京五輪・パラリンピックが行われるかどうかによっても行方が変わってくるでしょう。唯一好調なマンション投資で資金を運用するのが、当面は安全といえそうです。

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