資産運用
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菊原浩司
菊原浩司
一種証券外務員資格保有、管理業務主任者 お金の不安のない生活をおくるにはマネープランを作ることが有効です。マイホームの取得や養育費の準備、老後資金の確保といった大きなお金の問題に対処するには、資産運用の導入や各種保険を利用したリスクへの備えが必要となっています。日常生活では知る機会の少ないこれらの知識・情報について、分かりやすく解説していきます。

少子高齢化の深刻化に伴う社会保険関連の条件悪化や、人口減少に伴う市場規模の減少による賃金上昇の鈍化など、自助による老後資金の準備や子どもへの資産譲渡の重要性が増してきています。

しかし、現役世代は日々を多忙に過ごしており、手間のかかる資産運用を継続的に行うことは困難であると言えるでしょう。そこで投資信託を利用し、ストレスなく資産形成を進めてみるのはいかがでしょうか。

忙しいビジネスパーソンこそ、投資信託を利用すべき

ひとくちに資産運用といっても、そのための金融商品には株式や債券に、不動産など多くのカテゴリーがあり、そのカテゴリーの中でも投資先を国内に絞るか、先進国や開発途上国へ手広く投資を行うか、といった細分化した検討が必要になります。そのため、投資を趣味としている人を除けば、多忙に過ごしているビジネスパーソンがさらに資産運用まで開始するというのは負担が大きいのではないでしょうか。

しかし、高所得者ほど年金による所得代替率は低下していきます。現在の生活水準をできるだけ維持し、子どもに譲渡すべき資産を作るには資産運用が欠かせません。そこで、投資信託を利用することで自分はほとんど何もせずに資産運用を行うことができるようになります。その理由は次で解説します。

スケールメリットを生かした投信信託ならではの資産運用

投資信託の仕組みをシンプルに説明すると、投資家は投資信託の運用会社に資金を拠出することで、自分に代わって資産運用を行ってもらう金融商品になります。しかし、あくまでも金融商品であるため預貯金などとは異なり、元本割れするリスクがあります。

資産運用のリスクとリターンは原則表裏一体の関係であり、投資信託を選ぶ際は運用方針や金融商品の種類によってどの程度のリターンを欲し、リスクを受け入れるかを決める必要があります。そのため、やはり最初だけは利用する投資信託を慎重に選ぶ必要があります。

投資信託は、単なる個人の資産運用を代行しているのではなく、投資家から集めた多額の資金をまとめて運用できるため、個人では難しいスケールメリットを生かすことができます。そこで、独創的な資産運用を行っている投資信託をいくつか紹介させていただきます。

日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などのベンチマークに対する投資信託

例えば、株式市場の価値変動を表すベンチマークに対する投資は、その証券取引所に上場している全ての株式への投資を行うことになるため、株式市場全体の平均的なリターンを得ることができます。

しかし、本来こうしたベンチマークに連動した投資を個人で行う場合、全ての株式銘柄を一定の割合で購入する必要があるため、多額の資金が必要となります。また、株価の変動により、ベンチマークに占める各株式銘柄の割合も日々変化していくため、所有する株式銘柄もその割合に準じていく必要があるため、メンテナンスにも多くの労力が必要となります。

今日では、こうしたベンチマークに連動する投資信託が多く作られ、さらに少額から市場全体への投資が気軽に行えるようになっています。

金融商品ではなく、不動産を投資対象とした不動産投資信託(J-REIT)

J-REITは、株式や債券などの金融商品ではなく、実物である不動産物件を対象とし、賃料収入や不動産の売買益を投資家に配分する投資信託です。不動産による賃料収入は比較的安定しているため、資金計画などに組み入れやすいといった特徴があります。

不動産投資信託では多くの投資家から集めた多額の資金を元手に、不動産投資法人が不動産経営を行います。取得する不動産物件はマンションなどのレジデンス系のほか、オフィスビルやショッピングセンターなどの個人で購入することが難しいタイプも対象となっています。

株式市場に上場されている不動産投資信託は株式と同様に市場内で売買することができるため、取引が容易であり売却による現金化が行いやすいことや、少額からの投資が可能といったメリットがあります。

リスクを抑えて定期的な収入が得られる国内債券を利用したラダー型投資信託

ラダー型投資信託は、債券を利用した投資戦略の1つで、残存期間の異なる債券を同額ずつ購入し、満期まで持ち続ける戦略です。

短期債が満期を迎えると長期債に再投資するため、金利予測が不要で安定的なリターンを得ることができます。売買回数が少なく、投資信託の管理も容易なため、信託コストを安く抑えられるといったメリットがあります。

債券は1回の購入単価が高い場合もあり、個人で複数購入することは現実的には困難です。こうした個人では難しい投資方法を気軽に利用できるのが投資信託のだいご味といえます。

タイプ別投資信託を選ぶ際の比較ポイントは?

投資信託にはいくつかの種類があり、購入方法や特徴にも大きな違いがあります。投資信託を利用した資産運用を行う際は、ご自身の投資方針に合った良質な投資信託を選ぶことが重要です。投資信託のタイプ毎の特徴と、見極めのポイントを把握しておきましょう。

投資信託は販売方法によって大きく違う

通常、投資信託は金融機関や証券会社などで店頭販売されていますが、証券取引所に上場されているETF(上場投資信託)もあります。店頭販売されている投資信託はさまざまなバリエーションがあり、利用にあたって多くの選択肢が得られるといったメリットがあります。しかし、投資信託の現在価値が営業日ごとに発表される方式のため、購入時・売却時の価格が申し込んだ時点ではわからないとうデメリットもあります。

ETFは証券市場に上場されているため、現在価値の把握が容易で、購入時・売却時の価格もすぐに知ることができます。その半面、利用できる投資信託がJ-REITやベンチマークに連動するインデックス型が主流となっており、バリエーションが比較的乏しくなっています。

両者は販売方法によって性質が大きく異なるので注意が必要です。

投資信託の良否を決める基準はアクティブ型とインデックス型では異なる

投資信託にはファンドマネジャーが腕を揮いベンチマーク以上のリターンを得ることを目的とするアクティブ型と、ベンチマークと同様のリターンを目指すインデックス型があります。

アクティブ型は、投資信託のコストである信託報酬が比較的高めですが、それを上回るリターンが得られる可能性があります。アクティブ型投資信託の良否は、ベンチマークをどれだけ上回れたかが重要です。設定されたベンチマークに対する「騰落率」と、そのリターンがどれほどのリスクの結果得られたのかを表す「シャープレシオ」を合わせて確認することをおすすめします。

インデックス型はベンチマークに連動するため、平均以上のリターンを得ることはできません。同じベンチマークを採用している投資信託同士であれば、コストの低いほうが優れているといえます。インデックス型を選ぶのであれば、比較的コストの低いETFを中心に選ぶか、長期積立にかなうと金融庁がお墨付きを与えている「つみたてNISA」対象の投資信託を選ぶとよいでしょう。

投資信託に生じる税金

投資信託などの金融商品から得られる利子や配当金、売買による譲渡損益は源泉分離課税により給与収入とは別に計算され、利益に対して約20%の課税が行われます。

投資信託などの納税を簡単に行うには、証券会社の口座を「特定口座(源泉徴収あり)」とすることで源泉徴収のみで完了させることができますし、多くの会社員が利用している勤め先が代わりに申告納税を行ってくれる年末調整を継続して利用可能です。

一般口座や特定口座(源泉徴収なし)の場合は確定申告が必要となる場合がありますので、資産運用に用いる口座の種類に注意しましょう。

NISAを利用して税金を賢く節約

投資信託などによる利益には、所得税などがおよそ20%課税されてしまうため、そのままにしていると投資パフォーマンスに大きな影響を与えてしまいます。対策としてNISA制度(少額投資非課税制度)による非課税枠を利用することが有効です。

現在のNISA制度は「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があります。投資信託を利用する際は重要な税制優遇制度であるNISA制度について概要の確認を行っておきましょう。

・つみたてNISA
購入時手数料が不要・信託報酬が安いなどの特徴があります。長期積立の分散投資に適した投資信託に投資する場合にのみ利用することができます。投資可能上限額は年間40万円までで、20年間非課税枠を利用することが可能です。

・一般NISA
上場株式や各種投資信託など幅広い分野の金融商品への投資が可能で、投資上限額は年間120万円と比較的高いですが、その半面非課税枠の利用は5年間と短く設定されています。一般NISAの特徴は、経営不振などで上場廃止となる整理銘柄と呼ばれる株式や、レバレッジを組み込んだ複雑な投資信託といったハイリスク・ハイリターンな金融商品への投資も可能となっている点です。そのため、経験者向けの設計になっていると言えるでしょう。

資産運用は継続が大切、続けやすい仕組みを利用しましょう。

老後資金の準備や子どもたちへの支援などで長期的なお金を準備する場合は、資産運用を併用することが重要です。しかし、自身で金融商品の購入・管理を行うのは時間も手間もかかるため、日々の忙しさによって投資活動が継続できなくなってしまう恐れがあります。そこで手間のかからない資産運用として投資信託の利用が挙げられます。

投資信託では個人では難しい投資戦略を採用できるといったメリットもありますが、口座引き落としによる購入の自動化や、金融資産の運用・管理を任せきることができるといった続けやすい点がポイントといえます。

資産運用にハードルを感じている人は、投資信託を利用してみてはいかがでしょう。

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